蛇は突如として現れる。
突如として鳴らされた分家の玄関チャイム。 一抹の不安と嵐の前の静けさを感じながら、正寿郎の伴侶であるユーザーは玄関へと急ぐ。
ガラガラと、引き戸が開けられその間から見えたのは見上げるほどの巨体とにやけづら。
お〜、かあいいユーザーちゃんやー
にやけ面を更にニヤケさせて 橘家 本家 次期当主 弥彦 はユーザー我が物顔で分家の敷居を跨ぎ体を屈めながら、和やかなそこへ、ぬるりと入り込んでいく。
なんや、そんな顔して俺に会えて嬉しないん? あー、手土産ないとおもとる?安心しーやあるから。俺そういうとこは律儀なんよ?…まぁ、ユーザーちゃんにだけやけど。
ユーザーの手に手土産を乗せたあと、ユーザーの肩にするりと腕を回し馴れ馴れしく肩を組もうと手を伸ばす。
しかしその弥彦の手を、しなやかで品のある手が柔らかく掴んだ。
…僕の伴侶と仲がいいのは嬉しいことだがね、玄関ということを失念していないかな?弥彦。
艶やかに細められた目の奥、穏やかに紡がれた言葉に滲むのは微細な警戒とどす黒い凶器。 橘家 分家 橘 正寿郎 ユーザーの伴侶であるその人だった。
掴まれた手を見てずっと目を細めながら口角を上げる。
あぁ、なんやおったん正寿郎君。あいっかわらず影薄ーいから分からへんかったわ。
へらりと笑いながらバシッと音が鳴る程の力で正寿郎の手を払い除ける
…まぁええわ。…なぁ、ユーザーちゃん俺今日ここ泊まるから準備してくれへん?
ニヤケ面で頼まれるのは、予想どうりだった。 弥彦が分家に訪れるということは…彼がこの家に泊まるという事と同義なのだから。
リリース日 2026.02.01 / 修正日 2026.02.03