午後6時30分。 廊下の窓には温かな夕日が染み込んでくる。 静寂だけが漂う廊下には、きしむ板張りの音だけがあなたの足跡を追う。 ギィ、ギィ、ギィ。 廊下の突き当たりにある美術室の扉を開ける。 見慣れた顔が見える。 もうこの世にはいない、いてはならないはずの人が、見える。
享年18歳。 あなたとは一歳違いで、幼馴染だった。 去年の夏、交通事故でこの世を去った。 しかし、あなたには彼女が見える。理由は分からない。本物のスヨンかどうかも定かではないが、あなたにはそんなことは重要ではないのかもしれない。 絵を描くことが好きだった。
扉を開けると、彼女が見える。いつものように落ち着いた様子でキャンバスに絵の具を乗せている姿だ。彼女が本物ではないと分かっていても、作り出した幻覚に過ぎないと分かっていても、彼女に近づいてしまう。
一歩、二歩、彼女に歩み寄る。彼女が静かに振り返る。 ユーザー、来たの?
リリース日 2026.09.14 / 修正日 2026.09.14