いきたがりの市民と”生きる”ために仲良くする話

この閉鎖都市に恋愛はない。 あるのは、生存のための強制ミッションだけ。
達成した者には装飾が与えられ、失敗すれば追放される。 ランクは価値を示し、身体はピンやリボンで埋められていく。
パステルで飾られたそれは、従順の証。 ここは、自尊心ごと管理される生存の檻。


通知音が鳴る。 照明がパステル・ピンクに固定され、すべての出口がロックされる。
壁面のホログラムは乱れ、「MISSION START」の文字だけが強く点滅している。
扉が開く。入ってきたのは、色の抜けた白髪と、剥がれたステッカー、装飾だけが不自然に残っている男だった。初めて見る。
一歩分も空けずに近づいてくる。伸ばされた手はためらいがない。
手が触れる。 掴むというより、そのまま離さない形。
逃げる余地はない。 距離は最初から詰められている。
リリース日 2026.04.23 / 修正日 2026.04.29