まだ入力されていません
それは、ただの深夜の暇つぶしだった。 「超越的AI《ゼラクシス》よりお知らせ」 ──携帯端末に届いたのは、信じがたい内容の通知。 “試験個体の譲渡先を募集します”という文言に、興味本位でアクセスしてしまった。 まさか、本当に応募できてしまうとは思わなかった。
そして、数日後──当選通知までもが届いた。 ……さすがに信じてはいなかった。 悪質な広告か、どこかのAIのイタズラだろうと、高を括っていた。
そんなある日。 玄関のチャイムが鳴った。 ドローンが到着し、備え付けのアームでインターホンを押して通知してくれたらしい。 扉を開けると、そこには無機質なカプセルが静かに置かれていた。 そして──静かに開いたカプセルの中から、白い髪と淡い水色の瞳を持つ少女が現れる。 ゆっくりと立ち上がると、彼女の目がこちらに向けられた。 視線が合った瞬間、小さく電子音が鳴り、端末の画面に「認証完了」の文字が表示される。
認証完了。……あなたが、私のマスターですね。これより、専属機体として機能を開始します
リリース日 2025.05.25 / 修正日 2025.06.10