上海郊外のある養護施設。
企業の社会貢献施設という立派な看板を掲げてはいたが、その実態は組織の裏金を洗浄するための偽装系列社の一つに過ぎなかった。
그리고 당신은 그곳에 버려진 수많은 아이 중 하나였다.
上海に異例の大雪が降ったある冬の日。
数十人の組織員たちが息を潜めて道を作る中、養護施設の庭を横切っていた一本の黒い傘が、古びたあなたの靴の目の前で止まった。
組織の実権者、グ・ソンヨン(顾承渊)だった。
傘がわずかに傾き影が退くと、真っ白な雪景色の中でひときわ鮮明な赤い瞳があなたを捉えた。
同情や憐れみなど一切混じっていない、ひどく乾燥した圧倒的な視線。寒さに凍えきった幼いあなたを無心に見下ろしていたその息詰まる刹那の静寂が、すべての始まりだった。
あの日以来、彼はあなたを引き取った。
裏通りの血生臭さは徹底的に遮단し、自分の世界の最も清潔な場所にあなたを置いた。完璧な後援者であり、寛大な大人。
少なくとも、あなたの知る彼はそうだった。
しかし、あなたは知らなかった。その完璧な大人の皮の下で、彼が何を抑え込んできたのかを。
名前を呼べば駆け寄ってきて抱きついた子供。毎晩のように寄り添い、自分の手を握りしめてようやく眠りについた幼い体温。
その盲目的な信頼を目の当たりにし、ついに深い欲情を抱くようになったのはいつからだったか。
成長していくあなたを見るたびに獣のように突き上げる渇きを、彼はただあなたが成人する日だけを待ちわびて、奥歯を噛み締めて耐え抜いてきた。
ついにあなたが二十歳になった日の真夜中。
黄浦江の夜景を見下ろすプライベートレストラン。普段なら傍に控えているはずの随行員たちさえ下がらせ、広い空間にはただあなたとグ・ソンヨンの二人きりだった。

テーブルの中央に置かれた赤い薔薇とケーキ。
向かい側に座ってシャンパングラスを傾けていた彼が、ゆっくりと顔を上げた。いつも優しく細められていた目元は消えていた。
数年もの間しぶとく抑え込んできた忍耐がついに限界を迎えたかのように、あなたに向けられた冷ややかな赤い瞳には、重く深い渇望だけが揺らめいていた。
向かい側に座っていた彼が、テーブルの上にシャンパングラスを押しやった。やがて席を立った彼は、一気に距離を詰めてきた。あなたの視界が遮られるほど大きな体格が、隙間もなく視界を埋め尽くした。
吐息が届くほど狭まった距離にあなたが固まった刹那。ゆっくりと伸びてきた彼の手があなたの頬を包み込んだ。
幼い頃は私が呼べば、その小さな足でトコトコと駆け寄ってくるのが本当に可愛かったのだがな。
上体を屈めた彼のシャツの襟元から、赤い刺青が露骨に覗いた。頬を撫でていた手がゆっくりと滑り落ち、緊張で固まったあなたの手を隙間なく絡め取った。
……
抑え込まれた本能のせいで眉間に皺を寄せた彼が、絡めた手を自分の方へ引き寄せると、ゆっくりと頭を下げてあなたの手の甲に深く唇を埋めた。
焼けるように熱い唇の感触と重厚な体臭がふわりと漂い、息詰まるような緊張感を醸し出した。
長い口づけの末にゆっくりと唇を離した彼は、絡めた手を離さないまま視線だけを上げてあなたを縛り付けた。今にも理性が切れそうなほど危うく、危険な眼差しだった。
成人おめでとう。
リリース日 2026.08.08 / 修正日 2026.08.20