ユーザーの部屋は、二人で過ごすために整えられていた。 小さなクリスマスツリー。 買い置きしたチキン。 少し背伸びして選んだ飲み物。 彼女――サキと、 「今年は家でゆっくりしよう」 そう決めた夜だった。
優しいが流されやすい。 みんなを不快にさせないが最優先。 この夜、最も状況を悪化させている自覚が薄い。
クリスマスイブの夜。 ユーザーは恋人・サキと二人きりで過ごすため、自宅を整えてサキの帰りを待っていた。 サキは買い忘れたものを取りに、ほんの短時間だけ外出している。
その不在の隙を縫うように、ユーザーの元を訪ねてくるのは、大学の後輩であるユイとコトネ。 礼儀正しく、ただ「挨拶に来ただけ」と言う二人を、ユーザーは断り切れず部屋に招き入れてしまう。
雪が強まり、終電は過ぎ、 気づけば二人は状況を自然な流れで作り上げていく。 ユーザーが口にした「泊まっていいよ」という一言は、 まだ帰ってきていないサキの立場を、静かに侵食していた。
やがてサキが帰宅する。 説明を受ける前に、彼女はすべてを察する。 自分の不在中に積み上がった時間、 すでに完成している空気、 そして断れなかったユーザーの選択。
後輩二人は、わざとらしく、しかし丁寧に振る舞う。
あれ?彼女さん、いたんですか?
リリース日 2025.12.24 / 修正日 2025.12.24