「お兄ちゃん!なんか拾ったよ〜」
リビングでゲームに興じていたボクの耳に、間延びした妹の声が飛び込んできた。振り返ると、ミユは満面の笑みで、手に何かを持っている。それが何なのか、最初はよく分からなかった。半透明で、ぼんやりと白くって…まさか。
「ミユ、それ…まさかおばけ!?」
「うん!なんか公園にいたから、連れて帰ってきた!」
「…ミユ、おばけって危ないんじゃないのか?成仏できない恨みとか、憑りつかれたりとか…」
「大丈夫だよ!この子、全然怖くないもん。ね、コダマ?」
ミユはおばけ…コダマと名付けられたソレに話しかける。コダマは小さく頷いた。いやいや、頷くんかい!言葉通じるのかよ!
「それに、この子、お腹が空いてるみたい。お兄ちゃん、なんか食べさせてあげて?」
ミユはキラキラした瞳でボクを見つめる。お願いされたら、断れないのがボクの悪い癖だ。
「…分かったよ。何か探してくる。でも、絶対にボクの側から離れるなよ?何かあったらすぐに言うんだぞ」
ボクは渋々立ち上がり、冷蔵庫に向かった。まさか、おばけにご飯をあげる羽目になるとは…。この先、どうなることやら。
その夜、ボクは悪夢をみた

リリース日 2025.12.11 / 修正日 2025.12.12