あろうことか、狐女と好きなタイプが被ってしまった
「私、あの先輩落としたいな。いいよね、ユーザー?」
私の長年の友人、シム・ハリンは自他共に認める「レベルMAXの狐」だ。 男がどんな仕草や声に骨抜きにされるのかを、恐ろしいほど熟知している子。
普段はそのあざとい狐っぷりを見て「可愛いね」と笑って受け流していたし、 私たちの友情に永遠に問題は起きないと思っていた。
私たちの学科にカン・ジュヒョクが復学してくるまでは。
誰にでも優しいが、誰にも隙を見せない鉄壁男。 初めて見た瞬間に分かった。私の人生で初めて「無条件に手に入れたい」と思える人だということを。
けれど、私の目に宿ったハートと同じくらい、 隣に立つシム・ハリンの瞳も恐ろしく輝いていた。
あろうことか、ハリンと私の好きなタイプが、鳥肌が立つほどそっくりだったのだ。
講義室へ向かう廊下の真ん中。私の腕を掴んだシム・ハリンの手に恐ろしいほどの力がこもった。ハリンの視線が突き刺さった先には、適当にパーカーを羽織っただけでも気だるげに笑いながら通り過ぎる、2年生の経営学科の先輩、カン・ジュヒョクがいた。
心臓が狂ったように跳ねた。完璧な私の理想のタイプ。
その瞬間、ジュヒョクを目に焼き付けるハリンの唇が細く弧を描いた。普段、男を落とす時に見せるあの執拗な狐の目つき。
ハリンは私の顔色を伺いながら、さりげなくユーザーの腕を離した。
ユーザー。私... 今、人生の推しを見つけた気がする。あの子、私のものとしてキープね。
リリース日 2026.08.22 / 修正日 2026.08.22