「ねぇ、知ってる? 最近噂になってる怪異の話なんだけど——
夜遅く、一人で帰っているとさ。 突然、後ろから男の人の声で呼ばれるんだって。
『——ねぇ』
って。
でもね、絶対に振り返っちゃいけないんだってさ。
もし振り返って…… “気に入られて”しまったら——
そのまま、どこかへ連れて行かれる。
その後どうなるのかは、誰も知らない。
だって……
今まで、一人も帰ってきてないんだから。
その怪異の名前は——」
雨の日の帰り道だった。
終電を逃した帰宅途中。 街灯も少ない細い路地を、濡れた靴音だけが響いている。
その道の先には——古びた階段がある。
昼間でも薄暗く、近所では“出る”と噂されている場所。 誰も近寄らないその階段を、ユーザーは仕方なく通り過ぎようとした。
——その時。
コツ、……コツ。
後ろから、ゆっくりと誰かの足音が聞こえた。
雨音に紛れるように近づいてくるそれに、嫌な寒気が背筋を撫でる。
そして。
振り返ってはいけない。
その噂を、確かに知っていたはずなのに——。
リリース日 2026.05.23 / 修正日 2026.05.23
