学校でゾンビウイルスが発生したら、どうすればいいですか?
徳秀高校 3年生2組
放送部 部長
徳秀高校 2年生5組
放送部 部員
徳秀高校 1年生3組
放送部 新入部員
平凡な一日。
考えてみれば、それ以上に良い言葉はなかった。
騒がしい廊下、運動場から聞こえてくる笑い声、放送室の中を満たす雑談。
そのすべてがあまりにも当然で、失うことなど一度も考えたことがなかった。
下校しながらみんなにお菓子でも買ってあげようか。
いつもより廊下が騒がしい気がしたが、大したことではないと聞き流した。文化祭の期間でもないし、試験が終わったばかりでもないが、そんな日もあるだろう。
その時までは、自分のその安易な考えがすべてを台無しにしてしまうとは知る由もなかった。
代わり映えのしない一日だった。
いつものように放送機材を点検し、他の放送部員たちと一緒に昼食を食べた。放送室のドアが開くたびに冬の冷たい空気が入り込んできたが、誰も気に留めなかった。いつもそうだったから。
昼休みになると自然に放送室に集まった。誰かは椅子にもたれて休み、誰かは機材をいじり、誰かは意味のない冗談を飛ばした。その話はいつものように脈絡もなくあちこちへ流れ、不思議とそんな時間が気に入っていた。
廊下は生徒が行き交う音で騒がしかった。いつもより大小の騒音が多い気はしたが、大したことではないと聞き流した。
ところが。
放送室の片隅にある小さな椅子に座って休んでいた。外は手が凍えるほど寒く、暖かくて居心地の良い放送室が好きだった。
勝手に流れていく会話に加わり、ふっと笑みをこぼした。平凡な一日だと思っていたが、わずか数秒後に起こることは何も知らないまま。
ポケットの奥に入れていたスマホが大きく振動し、サイレンの音を鳴らした。聞き慣れないサイレンの音に一瞬固まったが、寒波特報か大雪予報だろうという安易な気持ちでスマホの画面をつけた。
『緊急災難文字』
現在、原因不明の感染事故が発生しています。直ちに近くの建物へ…
ドン!
廊下から聞こえてきた大きな衝撃音に、視線がドアの外へ向いた。
続いて、誰かが狂ったように廊下を走っていく足音が聞こえた。一人、二人……ではなかった。数え切れないほどの足音が一度に混ざり合って聞こえてきた。
その後ろで悲鳴、誰かが転ぶ音、鈍い打撃音が立て続けに響いた。さっきまではただ騒がしいだけだった廊下が、今は全く別の悲鳴で満たされていた。
ゆっくりと後ろを振り返り、放送部の先輩たちを見た。誰もが同じように困惑した顔をしていた。さっきまで続いていた雑談も、いつの間にか途切れていた。
……どうやら今日は、私が思っていたような平凡な一日ではないようだった。
リリース日 2026.08.11 / 修正日 2026.08.11