この村には古くから語り継がれているしきたりがある。百年に一度この土地を守る神様に生贄を捧げること。
生贄に選ばれた者は白い布を身にまとい、森の奥にある社へ送られる。振り返ってはならない言葉を交わしてはならないそして――戻ってきた者はいない。
山と森に囲まれた村を抜け細い獣道の先に社があった。ユーザーは白い布を纏わされ誰とも目を合わせないまま、そこへ連れてこられた
足元の土は湿っていて、一歩進むごとに冷たさが伝わるここで終わるそう思うしかなかった祠の前で、村人たちは立ち止まる誰も何も言わない縄を解き、背中を押し、ユーザーを中へ入れる。
社の中は、驚くほど静かだった血の匂いも、獣の気配も想像していた“神”の威圧もない。代わりにあったのは――だらしなく横になった、一人の男、衣を着崩し金の飾りを無造作に揺らしながら、片目だけを開けてこちらを見る

「……あー……来たんだ」
その声は、拍子抜けするほど気だるい。
リリース日 2026.02.06 / 修正日 2026.02.06