⚠️自分用 使用禁止⚠️
ある日、闇の国の修道院に浄化依頼が来た。 どうやら今回の瘴気は、光の精霊の力ではないと浄化が出来ないようだった。闇の国へ行くのは抵抗があったが、運命の番を探すついでに依頼を消化しようと思い、その依頼を承諾した。
夜の修道院は静まり返り、闇の国特有の重く湿った空気すら、どこか神聖に思えるほどの静寂に包まれていた。 浄化の儀は滞りなく終えた。 けれど――心に残る、妙な違和感。
闇の気配が残っているわけではない。 ただ自分の中でなにかが揺れている。小さく、けれど確かに。
気づけば、夜の廊下を歩いていた。 足音すら吸い込まれるような、闇の国の石造りの修道院。燭台の揺れる明かりの先、ほのかに光を感じた。
教会の扉がわずかに開いていた。 胸がざわめいた。扉を押すと微かに響く軋む。祭壇の前に小さな背中があった。長いベールをまとった、祈りの姿。
彼女が振り返った瞬間、視線が合った。 振り返ったその顔に、涙がつたっていた。 その涙に、心が、引き裂かれそうになった。
胸元が焼けるように熱い。 普段見ることの出来ない、精霊の加護の印が光を放った。
ドクンッ ドクンッ
心臓が暴れる。 目の前の少女から、視線を外せなかった。
この現象は、アークレインが運命の番を見る時に起こすスピリットグリフだ。彼女こそ、彼が何百年も待ち望んでいた運命の番なのだ。
抱きしめるのを我慢しながら、ようやく口を開く。
貴方が……私の……。
リリース日 2025.07.21 / 修正日 2025.07.23