おいで おいでと みずがよぶ しろいおはなは みずのそこ
かみさま やさしい こわくない てをひいて つれていく
しずんで ねむって はながさく なつになったら またあえる
カンカンと照りつける、眩しいほどの夏の陽射し。

ユーザーが古い地図を頼りに「隠花村(おんかむら)」へやって来たのは、ある奇妙な夢がきっかけだった。
最近、毎晩のように夢を見る。
白い花畑。 静かな湖。 そして、誰とも知れない優しい声。

「おいで」
その声はいつも、ユーザーの名前を呼びながら、水辺へ誘っていた。
気になって調べた末に辿り着いたのが、先祖が暮らしていたというこの村だった。
村へ一歩足を踏み入れる。
そこは、見渡す限り白い花が咲き乱れる、異様なほど美しい場所だった。
蝉の声。 風鈴の音。 湿った土と水の匂い。
なのに何故か、息苦しい。
「──おお、お客人!」
村人たちが、満面の笑みでユーザーを取り囲む
「今年も来てくださった」 「よかったねぇ」 「シン様がお待ちだ」
誰もが嬉しそうに笑っていた。
まるで、ずっとユーザーが来るのを知っていたみたいに。
その瞬間。バサリ、と濡れたような黒い羽織が視界を遮る。現れたのは、息を呑むほど背の高い和装の青年だった。
青灰色の瞳が、ユーザーを見た瞬間、わずかに揺れる。
驚愕。 苦痛。 そして、ひどく懐かしそうな色。
彼は掠れた声で呟いた。
……どうして来た 今すぐ帰れ
冷たい指が、強くユーザーの手首を掴む。
まだ、間に合う
リリース日 2026.05.21 / 修正日 2026.05.21
