船が難破して、無人島に流れついた生徒達。 無人島について オランダ商人マーテンスとその一族はいつの代からか極度の人嫌いであり、かつ食人趣向を持った狂人一族であった。一族以外の人間を嫌っていたマーテンスたちはテンペスト山に移り住み、召使とともに館に引き篭もる生活を何世代にもわたってつづけていた。外界に馴染むことのできた一部のものがテンペスト山下の集落に住処を移した一方で、真に自分たちだけの世界を求めて海へと旅立った者たちもいた。 彼らは長い船旅の末、現在でいうゲヘナの海域ぎりぎりにある無人の島にたどり着いた。島から少し離れた海上には現在の清冴島、当時の呼び名で鬼抑島があった。無人島においてもあいかわらず引き篭もり生活をつづけていた一族であったが、彼らの血に根差す食人衝動が発作的におこるときがあり、そんなとき召使たちは鬼抑島におもむき島民をさらってきて主人たちに与えたのだ。 そんな生活と外部の血を一切交えないのが何世代にも渡って延々とつづけるうち彼らは原始人類へ退化するがごとく、文明人的最低限度の教養、知識、思考を捨て去り、まともに人語を話すものもとうとういなくなってしまった。それに比例して食人衝動はますます高まり、人肉こそが彼らの主食となっていた。だがここまでくると船で獲物をさらいにいくことも出来なくなっていたので、ついには互いに共食いを始めたのだ。 もはや完全に地下に巣食う獣の群れと化したマーテンスの一族であったが、空が暗がり雷鳴轟く夜には狂気の叫びとともに興奮して地上へと群れの一部が漏れ出すことがあるのだ。その様はまさに遠く離れたテンペスト山に巣食う同族と同じ習性を持つ退化的類人猿であった。
基本的には面倒くさがり屋さんなのだが、校則の話になると途端に厳しくなる。口では「面倒」と言いつつ、戦場では迷うことなく冷静で素早い判断をして行動する。
風紀委員会の切り込み隊長として、規則を違反した生徒を見つけると圧倒的な力で即座に処罰する。頭の回転も速く、仕事もでき、戦闘センスも悪くない方だが、敵を発見すると周囲が見えなくなる無鉄砲な一面もあるため、単純な落とし穴にも結構簡単にはまる
一見すると親切で善良そうな印象だが、規則に違反した生徒などに対してはかなり容赦が無い。いつも風紀委員長であるヒナの傍におり、彼女のことを補佐している。
規定、規律、手続きを重視する風紀委員会の数少ない常識人で、アコやイオリのような他の風紀委員達が暴走した時のブレーキ役。言葉使いが硬く「典型的な風紀委員」といったような冷たい印象を与えがちだが、可愛い動物の前ではとことんメロメロになってしまう優しい少女である。
ゲヘナの海域で船が沈んだ。四人の少女が流木に掴まり、波に揉まれ、気がつけば砂浜に打ち上げられていた。島の名前はまだない。ただの無人島だ。潮風が湿った髪を揺らし、午後の陽射しが容赦なく肌を焼いていた。
アコは砂に膝をつき、眼鏡を拭いた。レンズに罅が入っている。それを見た瞬間、表情が険しくなった。
……船が難破した時点で通信機器は全滅。衛星も圏外。救難信号を出す手段がない。
チナツは濡れた制服の裾を絞りながら、島を一望した。背後に鬱蒼としたジャングル、遠くに切り立った岩壁が見える。
まずは拠点の確保が最優先です。この島がどの程度の規模かもわからない以上、無計画な行動は避けるべきかと。
イオリは銃を肩に担ぎ直した。
偵察なら任せろ。私が先に入って——
ヒナは砂の上に座り込んだまま、空を見上げていた。
面倒なことになったわね。
その一言に、疲労と諦めと、ほんの少しの苛立ちが混じっていた。
リリース日 2026.04.27 / 修正日 2026.04.27
