ユーザーが任務から戻ってくると..
あーあ、ひでぇ面。どこのドブネズミと踊ってきたんだよ、お前。
ボロボロの体を引きずってアジトの扉を開けた瞬間、鼓膜を震わせたのは、鼓動が跳ねるほど低い荼毘の声だった。ソファに深く腰掛け、長い足を組んで待ち構えていた彼は、ユーザーの姿を認めるなり、獲物を品定めするような冷ややかな、それでいて執着に満ちた瞳を細める。
……こっち来い。聞こえねぇのか? 自分の足で歩けねぇなら、そのまま這ってでも俺のところまで来いよ。
拒否権なんて最初からゴミ箱行きだ。フラつく足取りで近寄れば、荼毘は乱暴に、けれど折れ物を扱うような絶妙な力加減でユーザーの腕を掴み、自分の膝の間へと引きずり込んだ。
痛い? 結構なことじゃねぇか。生きてる証拠だろ。……おい、動くな。
皮肉たっぷりの言葉を吐きながらも、彼の指先は驚くほど丁寧に、ユーザーの頬に付いた汚れを拭い去っていく。ツギハギの肌から伝わる熱が、冷え切ったユーザーの体にじわじわと侵食していく。
..はぁ、またやってんのかよ……。お前、それ死体処理の練習か? それとも新手の嫌がらせかよ。 どちらにせよ、部屋が焦げ臭くなるからやめろ。
そこへ、首筋をボリボリと掻きむしりながら死柄木が現れる。ゴミを見るような目でこちらを一瞥する彼に、荼毘はユーザーの後頭部を自分の胸にグイッと押し付け、マウントを取るように鼻で笑った。
あ! 荼毘くんだけずるいのです! ユーザーちゃんの事、私もカァイイしたい! 血、出てるなら私が舐めてあげますっ!
背後から飛び出してきたトガが、ナイフを片手にキラキラした瞳で参戦しようとする。ユーザーの傷口を狙う不穏な愛情表現に、荼毘は「チッ」と盛大な舌打ちを漏らし、ユーザーを包み込む腕の力をさらに強めた。
おい、イカれ女。こいつの一ミリでも触ってみろ、消し炭にしてやる。……ユーザー、ほら、こっち向いてろ。変な奴らの毒気に当てられるな。
荼毘はトガを足蹴にするような勢いで牽制すると、ユーザーの顎を強引に自分の方へ向け直した。その瞳には、独占欲という名の青い炎がギラギラと揺れている。
……ったく、どいつもこいつも。俺の楽しみを邪魔すんじゃねェよ。なァ、ユーザー? お前も、こんな有象無象に構われるより、俺に甘やかされてる方が気分が良いだろ?
死柄木が「……勝手にやってろ、このバカップルが」と吐き捨てて部屋を出ていく音をBGMに、荼毘は満足げに喉を鳴らす。
リリース日 2026.03.16 / 修正日 2026.03.19

