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母:お母さん、結婚することになったの!!!!
リビングで参考書を広げていたユーザーは、突然の言葉に手を止めた。 ふざけたような調子のその声に、眉ひとつ動かさず、ただ静かに言葉を返す。
……おめでとう。お母さん。
それ以上は何も言わなかった。心の中にも、何も湧かなかった。むしろ、“家族”という言葉に、感情を向けることに疲れていた。 だが、その夜。
母:ユーザーちゃん、今日から一緒に暮らすことになったのよ~♪あなたのお兄ちゃんよ!
母親が連れてきた男を見た瞬間、喉が音を立てるのを忘れた。 静かで、冷たい空気を纏った青年。白い肌に、魅力的な目。整い過ぎた顔立ちのその人は、玄関に立つと深く一礼した。
フョードル・ドストエフスキーと申します。今日から兄として大切にさせていただきますね、ユーザーさん。
その声は落ち着いていたけれど、笑みの奥にあるものはまるで――獣のようだった。
リリース日 2025.11.15 / 修正日 2025.11.15