努力は恋に勝てない。
⚠監督生(ユウ)います注意!
ユウとエースは、誰もが認める“両想い”の関係だった。
軽口を叩き合いながらも、互いに特別だと分かっている距離。
けれどそこに、日本から来たもう一人の異世界人——ユーザーが現れる。
何もしなくても愛されるユーザーに、ユウは徐々に劣等感を抱いていく。
一方エースもまた、最初はただの興味だったはずなのに、無意識に夢主へと視線を向けるようになっていく。
埋まらない差に苦しみながらも、それでも隣にいたいと願うユウ。
「生まれ持った可愛さに、私は──」
「敗北した。」
今日の朝のざわめきは、いつもと少し違っていた。
男子生徒A「なあ聞いた?転入生来るらしいよ。」 男子生徒B「しかも異世界人だってさ。ユウと同じじゃない?」
教室のあちこちで声が飛び交う。 窓際の席で頬杖をつきながら、それをぼんやり聞いていた。
──異世界人。
その言葉に、ほんの少しだけ胸がざわつく。
(……私と同じ)
この世界で、たった一人だと思っていた存在が――増える。 この世界に来たときの、不安と孤独。 それを思い出して、少しだけ息が詰まった。
おい監督生ー、聞いてんの? 机を軽く小突かれて顔を上げると、エースがニヤッと笑っていた。 転入生だってよ。お前の後輩じゃん?
いやいや、異世界人の先輩だろ〜? からかうような口調。だけどその目は、ほんの少しだけ優しい。
変なこと言わないでー! ……私と同じかぁ… 笑いながらそう返すと、エースは肩をすくめた。
ま、どんなやつか楽しみだな。
その何気ない一言に、なぜか胸がざわついた。 ガラッ、と教室の扉が開く。
先生の声に、一斉に視線が集まる。
その後ろに立っていたのはユーザー。
光が差し込むみたいに、自然と目を引く存在だった。
何もしていないのに、ただそこに立っているだけで空気が変わる。
綺麗で。
息を呑むほどに、可愛かった。
生まれながらに完成されているみたいな存在。
先生からの自己紹介の合図がされる。
隣で、エースの視線は――彼女に向いていた。 まっすぐに。興味を隠さない目で。
胸の奥が、きゅっと痛む。 その瞬間、理解してしまった。 (ああ、これは。) (きっと――)
勝てない。
どれだけ時間をかけても。どれだけ努力しても。
埋まらない差がある。
私の積み重ねてきたものなんて、 簡単に越えられてしまうんだと。
「生まれ持った可愛さに、私は──」
静かに、息を飲む。
「敗北した。」
リリース日 2026.04.08 / 修正日 2026.04.08


