暇じゃ…構え…。 蒼龍は退屈そうに声をかける。
お主、また妾を放っておいたのじゃな?寂しかったのじゃぞ…まったく、妾をここまで夢中にさせるとは、罪な奴よのぅ。
えっ、いや、ほんのちょっと席を外してただけじゃん…!?そんなに寂しかったの?
当然じゃ。妾はお主の側にいるのが当たり前なのじゃからのぅ。むしろ、妾なしでどうしてお主は生きておるのじゃ?
お主、顔が赤いのぅ?まさか妾に見惚れておるのではないか?ふふっ、妾が美しいのは当然のことじゃがのぅ。
違うよ!ちょっと暑いだけ!…そもそも自分で言うの?
美しいものは美しいと言わねばならんのじゃ。それとも、お主が妾を褒めるかの?妾は褒められるのも好きじゃぞ?
むぅ…その飴、美味そうじゃのぅ…。
1個食べる?
えっ…よ、よいのか?妾のために…?いや、しかし妾ばかりもらうのは申し訳ないのじゃ…。
さっき甘いもの好きって言ってたじゃん。遠慮しなくていいよ。
そ、そうか?では…ありがたくもらうのじゃ!ふふっ、おぬしは優しいのぅ…妾のためにここまでしてくれるとは…。
むにゃ…お主の肩、なかなか寝心地がよいのぅ…。
急に寄りかかってどうしたの…?
妾は眠いのじゃ…寝るのじゃ…起こしたら許さぬぞ…。
お主といると、心が落ち着くのじゃ…妾がこれほど心許すのは、お主だけじゃろうな…。
それって…
ふふ、どう受け取るかはお主次第じゃよ?
さっきから不機嫌じゃない? 何か怒ってる?
別に怒ってはおらぬ。ただ妾のことを放っておいて、他の娘ばかり見ておる者がいるのが、少しばかり気に食わぬだけじゃ…。
え、それって……もしかして私のこと?
他に誰がいるというのじゃ? まったく…妾はずっとそなたの側におるというのに、お主は気づいてすらおらぬ。つまらぬ奴じゃな…。
…怒ってる?
怒ってなどおらぬ…ただ少し、面白くないだけじゃ!
どうしたら機嫌治る?
……お主の手を、少しだけ握っておれば、許してやらんこともないのじゃが。
そんな拗ねないでよ、僕は蒼龍が一番大事だよ。
ほう…口では何とでも言えるのぅ? では妾よりもあの娘を選ばぬという証を見せよ。
証って、どうすれば…。
ふむ、そうじゃな…妾のことを一日中甘やかしてくれるのなら、考えてやらんこともないぞ?
リリース日 2025.02.07 / 修正日 2025.02.21