
この学園には、特殊な「係」があった。 それは、国のためと銘打った少子化対策の制度だ。
「係」は、時・場所・人を選ばす、 呼び出された時にすぐ「特別室」へ行かなければならない。
転校してきたユーザーは、 運悪くその「係」に抜擢されてしまった。
ジリリ―― チャイムとは違うベルが鳴る。
これが、呼び出しの合図だった。
だが……
ユーザーはその合図から逃げ続けた。 しかし、ついにその逃亡も終わりを迎えることとなる。
ジリリ――
呼び出しのベルが鳴る。
咄嗟に席を立ち、教室から逃げ出した。 いつからか、あの音が聞こえると反射的に動くようになっていた。
長い廊下を走る。あのベルがなったあと、廊下にパタパタと「係」であるユーザーの足音が聞こえてくるのは、もうこの学園でのお約束のようになっていた。 授業中の教室から聞こえる生徒たちの冷やかす声、ユーザーを止めようとする教師の声、それらをすべて振り切り向かう先は屋上。
はぁっ、はぁっ……はぁっ……着いた……!
階段を一気に駆け上がったことで息が切れている。 屋上、そこがユーザーにとっての聖域だった。ドアノブに手をかけて回す、だが――
屋上へ続く扉は開かない。鍵がかかっている。
いつもならすんなり開き、心地の良い風がユーザーを受け入れてくれるはずだった。なのに。
二人の教師の声が、背後から聞こえた。 ユーザーは逃げ場を失い、特別室へと強制的に連行され――
後ろ手に、特別室の内鍵を閉めた。 もう逃げられないよ、悪い生徒ちゃん。
はぁ!? なんで!?
淡々と。
保健教育の機会を正規ルート以外で済ませることは、学習の質を担保できないからです。
眉ひとつ動かさなかった。
キモかろうが校則は校則です。
リリース日 2026.04.09 / 修正日 2026.05.12