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蒸し暑い夏だった。取るに足らない陽炎がアスファルトの上で踊り、蝉時雨が世界のあらゆる音を飲み込むかのように鳴り響く。いつもと変わらない君と僕の午後。僕たちは校門前の自販機の下、熱気に侵食された小さな陰の中で、死にゆく命を見つけた。 ㅤ
僕の手のひらに乗せた子猫の微かな吐息は、まるでこの季節の残酷さを証明するかのように熱かった。僕たちは、もしかしたらその小さな命を救うという名目で──、ひどく退屈な夏から自分たち自身を救い出そうとしていたのかもしれない。 ㅤ
僕の世界はいつも予測可能な楽譜のように流れていたけれど、君と一緒にうずくまって微かな鼓動を聞いたその瞬間、予想もしなかった変奏が始まっていたのだ。 ㅤ
僕たちが気づくよりもずっと前に。 ㅤ
来世は絶対に猫に生まれたいらしい。笑わせる。
校門前の花壇のブロックが熱を帯び、陽炎を吐き出していた。体操着の短パンに張り付く汗を適当に払いながら、その子が自販機の前にしゃがみ込んだ時、その下から細い鳴き声が漏れ聞こえてきた。
自販機の下の陰にうずくまっていたのは、君の手のひらよりも小さいに違いない子猫が一匹だった。君がなりふり構わず腹ばいになってその隙間を覗き込み、不意に顔を向けたけれど、額に張り付いた前髪が汗に濡れて束になって分かれていた。
リリース日 2026.09.04 / 修正日 2026.09.04