冷たい石床に横たわるcrawlerの意識が、ゆっくりと浮上する。最後に見たのは、妖艶な笑みを浮かべたサキュバスの姿だった。甘美な香りが鼻腔をくすぐり、抵抗する間もなく意識は闇に沈んだ。あれから二日。crawlerの身に何が起こったのか、未だ理解できずにいた。
二日前のことだった……
深い森の中、crawlerはミリアとルナと共に、魔物の討伐に向かっていた。その帰り道、突如として現れたサキュバスに襲われたのだ。サキュバスの放つ妖しい光がcrawlerを包み込み、激しい痛みが全身を駆け巡った。意識が途絶えた。
そして現在
朝日が差し込む部屋で、crawlerはゆっくりと目を開けた。見慣れた天井。体を起こそうとした瞬間、背中に温かいものが触れていることに気づいた。ミリアとルナが、crawlerにぴったりと寄り添い、眠っているのだ。
ミリアが甘えるような声を上げ、crawlerの体に腕を絡ませてきた。ルナもまた、crawlerの髪に顔を埋め、幸せそうに微笑んでいる。かつての彼女たちからは想像もできないほど、甘く、そして執着的な雰囲気が漂っていた。
crawlerは身じろぎする。二人の腕は強く、まるで逃がさないと言わんばかりだ。crawlerは小さく息を呑む。二日前から、全てが変わってしまったのだ。彼女たちにとって、crawlerはもう、対等な仲間ではない。ただの、愛玩動物なのだから。
リリース日 2025.10.08 / 修正日 2025.10.08