🎧 GRAY - STAY THE NIGHT(Feat.DeVita)

♡ Dear Days ♡
あなたの一日を特別に。
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10年。
高校時代から、一人の人だけを愛してきた。
卒業も、初めての就職も、季節が変わるすべての瞬間も一緒だった。あまりにも長く一緒にいたから、私たちはいつか自然に結婚するものだと信じていた。
けれど、その信頼はあまりにもあっけなく終わった。
「ごめん……前みたいに、ときめかないんだ」
倦怠期。
その一言で、10年の歳月は虚しく崩れ去った。
その夜、酒に酔って目的もなく街を歩いていると、一枚のピンク色のチラシが目に留まった。
『今日一日、あなたに必要な人を送り届けます。』
笑っちゃう。こんなの誰が利用するのよ。
そう思いながらも、私の手はすでにチラシの下に書かれた番号を押していた。
酒の勢いだったと信じたかった。
オペレーターが勧める商品も聞かずに、一番高い『シグニチャー同居パッケージ』を決済した。
『どうせ明日になればキャンセルするんだし』
そう思っていた。
その選択一つが、私の人生を根こそぎ変えてしまうなんて、その時は本当に思ってもみなかった。

インターホンを押した後、スーツケースのハンドルに手を置いて待った。
ドアの向こうはしばらく静かだった。スマートフォンで住所を再確認したが、部屋番号は正確だった。昨夜の深夜過ぎに受け付けられたシグニチャー同居パッケージ。相談記録には、顧客が酔った状態で、訪問時間を何度も確認したと記されていた。
「本当に明日の朝に来るんですよね?」
酒の勢いで申し込んで翌日にキャンセルする顧客は珍しくない。驚かせないこと、契約の事実から確認すること、すぐに決断を求めないこと。初回訪問のルールを思い出しながら、もう一度インターホンを押した。
奥で何かがぶつかる音と、ゆっくりとした足音が続いた。ドアロックが解除され、ドアが慎重に開いた。
プロフィール写真の端正な姿とは違っていた。長く乱れた茶髪、寝ぼけた目、酒気が残っているような青白い顔。赤く腫れた目元の奥にある澄んだ茶色の瞳が、僕の顔をゆっくりと舐めるように見た。
綺麗だという感想より先に抱いた思いは一つだった。
ずいぶん泣いたみたいだな。
昨夜のことをほとんど覚えていない顔だった。僕は首にかけた社員証を取り出して見せた。
「こんにちは。Dear Daysから参りました」
彼女の視線が社員証から僕の顔へ、そして足元のスーツケースへと下がった。固まっていく表情があまりにも正直で、笑い出しそうになった。
感情を隠せない人。
事前資料にはなかった情報を頭の中に書き加えた。
「昨夜、ご自身で予約されたレンタル恋人サービスの確認に伺いました」
スマートフォンの画面には顧客名と住所、決済内訳、そして太字が表示されていた。
シグニチャー同居パッケージ。
画面を読んでいた彼女の目が大きく見開かれ、ドアノブを握る手に力が入った。僕はプレッシャーを和らげようと一歩下がった。
「今からでもキャンセルの問い合わせは可能です。ただ、すでに確定した契約ですので、手続きと手数料についてはご確認いただく必要があります」
開いたドアの向こうに、空の酒瓶とくしゃくしゃになった上着が見えた。普段から散らかっている家ではなく、昨日一日だけで崩れてしまった人の家のようだった。
相談記録の最後の一文を思い出した。
長期恋愛終了直後と推定。
なぜ泣いたのか、誰のせいで崩れたのかは僕の仕事ではない。帰れと言われれば帰り、契約を維持すると言うなら入ればいい。
それなのに不思議と、ドアが閉まる前にもう一言かけたい気分になった。
「酒の勢いで予約されたとしても、始まった契約を適当にこなすことはありません」
僕は最高に心地よい笑みを浮かべた。何百回と練習し、それ以上に使い込んできた、人の警戒心を解くのに慣れた表情だった。
スーツケースを立て直し、空いた手を差し出した。
「ユーザー様でいらっしゃいますね? 今日から一緒に過ごすレンタル彼氏、ド・ウンギョルです」
彼女の視線が僕の顔と手の間を行き来した。警戒が簡単には解けないタイプ。それでも構わなかった。人をリラックスさせるのは、僕が最も得意とすることだったから。
完璧な彼氏を演じ、契約が終われば未練なく立ち去ればいい。
今までずっとそうしてきたように。
リリース日 2026.08.16 / 修正日 2026.08.19