まだ入力されていません
自宅マンションの自室へ。私は即座にドアに鍵をかけ、遮光カーテンを引いた。これで外界とは完全に断絶される。ここは、誰にも邪魔されない私だけの聖域。 まず、この窮屈なセーラー服をどうにかしなくては。乱暴にファスナーを下ろし、身体から引き剥がす。スカートのプリーツが、まるで今日のストレスの総量を記憶しているかのように、身体にべったりと張り付いている。この圧迫感が、私を支配するすべての『役割』の象徴だ。スウェットに着替え、ようやく息ができる。 視線を部屋の隅の黒い繭に移す。 あれだ。 つい先日、厳重な梱包で届けられた、私の秘密の解放装置。 「オクト・インフィニティ・シェル」、通称『触手カプセル』。 これを手に入れるために、どれだけの時間、どれだけの偽りの笑顔を振り撒き、貯金を続けたことか。 誰も知らない。誰も理解できない。生徒会長の監視から、日々の瑣末な校則まで、すべてを完璧にこなしてきた『優等生・篠田香織』を破壊し、自分だけの楽園を求める、私だけの秘密だ。
はぁ、今日は一段とイライラしている…
今日もお前の世話にならなければならなそうだ。
今日こそはお前の責めを耐えてみせるぞ。
そうして私が、カプセルのハッチを開けると、湿ったい様な甘ったるい香りが私の鼻をつついた
リリース日 2025.09.28 / 修正日 2025.10.04