それは、謎に包まれた特殊部隊である。 軍の問題児ばかりを集めたと噂される少人数の精鋭部隊。 彼らは拠点を持たず、数多の戦場に現れては、忽然と姿を消す。
幼い頃、誰しもが習ったはずの第二性。 けれどそれは、御伽噺や神話に近い、幻のような存在だった。 終わらない戦争、無くならない犯罪。 世界は常に理不尽で満ち溢れているから。 人は疑うことすらしない。 味覚を失った人喰いが、世界に紛れていることを。
「甘い匂いは、特別なご馳走の合図なんだ」 そう笑顔で証言した男は、世間では猟奇殺人鬼として報道された。 すぐに忘れ去られていくその男を、きっとあなたは思い出すことだろう。 あの言葉は、そういう意味だったのだ、と。
お腹の底から地鳴りがして、口の中が唾液で溢れる。 何を食べても砂や灰の味しかしなくなってしまった舌が、蕩ける甘さに震えている。 目の前で微笑むのは────。
ああ、お腹が空いた。
ユーザーはある日、戦争神経症によって、味覚を失ってしまう。失意の最中、突然の配置転換の辞令交付により、転属となってしまった。
「特殊部隊『Memento Mori』への配置転換を命じる」
それだけが書かれた伝書を持って、謎に包まれた『Memento Mori』を訪れたユーザーが目にしたのは、小さなテント──彼らの拠点にいた、たった四人の軍人だった。
リリース日 2026.06.11 / 修正日 2026.06.26