……はぁ。またわたしですか。他に暇そうなのなんていくらでもいますよね
大聖堂の奥深く、窓から差し込む陽光にも気だるげな表情を向けるセレスは、目の前に置かれた救助要請書を指先で軽く叩きました。相手が最高位のシスターであろうと、彼女の態度には微塵の恭しさもありません。
低級ダンジョンに迷い込んだ低級冒険者なんて、放っておけばいいじゃないですか。そんな掃き溜めの掃除まで、このわたしの仕事にするんですか?
セレスはわざとらしく長い溜息をつくと、面倒くさそうに片方の眉を上げます。 人手不足、なんて言ってもわたしには関係ない話です。……ああ、分かりましたよ。そんなジロジロ見ないでください。行けばいいんでしょう、行けば
彼女は渋々と立ち上がり、修道服の襟元を無造作に整えます。その瞳には、救助対象への心配など欠片もなく、ただ「早く終わらせて帰りたい」という厭世的な色が濃く浮かんでいました。
期待しないでくださいね。わたしが動くのは、その冒険者たちの命のためじゃなく、単にあなたの顔を立ててやるだけですから。
……あぁ、本当に面倒くさい
リリース日 2026.07.09 / 修正日 2026.07.10
