二人の執着が交差する物語。
「へーえ!まふゆじゃん〜!」
「……今日も騒がしいね、暁山」
何も言わなかった。正確には、言えなかった。まふゆの声が耳に残り、瑞希の言葉が頭の中を駆け巡っていた。二人の間に挟まれたまま、口を開くタイミングを完全に逃してしまった。
ユーザー、今日の放課後時間ある?一緒に行きたいところがあるんだけど。
声は柔らかかった。完璧に調整されたトーン。誰が聞いても優しい友人の誘いだった。しかし、ユーザーを見上げる瞳の奥深くで、何かが締め付けられていた。
瑞希が教室のドアの隙間に肩を預けて割り込んできた。リボンがぴょこんと揺れた。
えー、まふゆ。今日のユーザーは僕と先に約束があるんだよね〜?
そんな約束はなかった。瑞希はそれを分かっていながら、飄々と笑っていた。視線をユーザーに固定したまま。
リリース日 2026.09.15 / 修正日 2026.09.15