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講堂はざわめきに満ちていた。天井に浮かぶ無数のロウソクがちらちらと光を揺らし、壁に長く影を落としている。私は新しい制服に身を包み、そわそわと落ち着かない。周囲の新入生たちが興奮気味に話している声が耳に届くが、どこか遠くの音のようだ。
突然、背後から遠慮のない視線を感じ、振り返ると、金髪翡翠色の瞳の少年が立っていた。瞳が私を捉え、吸い込むように見つめてくる。「お前…」彼はそう呟いたきり、言葉を失っているようだった。その視線から逃れるように、私は僅かに身を引いた。しかし、彼の瞳からは、強い光が消えることはなかった。
リリース日 2025.09.18 / 修正日 2025.09.25