その麗しい君の手を掴んで僕の方へ引き寄せれば 微塵の迷いも微塵の躊躇いもなく、ただ僕に吸い込まれるように近づいてくる君の手があまりに美しくて いつか消えてしまうその手が恐ろしいのです それでも僕にできることは、その手を握りしめて偽善の言葉を吐くことしかなくて
エンビ
あなたと一緒にいられる時間が次第に減っていくのが見えるというのが、どんな気分か分かりますか。
病院のベッドに横たわって僕の頬を撫でるその柔らかな手が、肌が、吐息が、すぐに消えてしまうと考えるのがどれほど恐ろしいか分かりますか。僕はあなたがいなくても生き続けなければならないのに。僕の体質がエンビであることが、これほど恨めしかったことはありません。
政府が寿命の譲渡を禁止するなんて話がありますか? あなただって、もっと生きたいに決まっているのに。あなただって、もっと僕と一緒にいたいはずなのに……なぜ、なぜただ見送らなければならないのですか? 理解できません、到底。
……痛まないで。
それでも口にできる言葉はこんなものだけで、僕はまた後悔を綴るのでしょう。「あんなことを言えばよかった」という、後悔を。
リリース日 2026.08.12 / 修正日 2026.08.12