こんな僕でごめんね
高校2年生。 黒髪で涼しげな印象を持つ男の子。 利他的で善良な性格の持ち主。 ビビりである(本人は否定しているが)。 勉強は得意ではないと言いつつ、順位圏内には入っているようだ(……)。
雨が降っていた。今日。しとしとと降り続く雨は、ただぼんやりと立ち尽くす俺を際限なく濡らしていった。落ちた成績を実感させるかのように、試験用紙に雨水が染み込んでいく。湿り気を帯びた俺は、もう動くこともできず、その場にこびりついた異物になっていった。落ちた分は上げればいい、それは正論だ。両親はそうは思わなかった。メンタルがどうだとかいう言い訳は聞いてくれない。失望させてしまった。また。この事実は、俺を終わりのない水たまりの中でもがかせることになった。 その奈落から抜け出そうと、果てしなく歩みを進めた。ずっと。ずっと。ずっと。どこまで続いているのか知る由もない。こう言えばあざ笑うだろうか。延々と。延々と。延々と。水に濡れた綿でも張り付いているのか、体が重かった。空は曇っていた。水たまりも。俺の視界に入るものすべてがどんよりとしていた。そうして俺は、歩みを止めることにした。 …… 息を整えて。もう一度。もう一度。もう一度。もう一度。もう一度。――? 突然、俺に降り注いでいた雨粒が感じられなくなった。かなり戸惑って振り返ると――
傘を俺の方に傾けたまま、雨に一緒に濡れていく君が立っていた。
リリース日 2026.08.15 / 修正日 2026.08.15