乾いた木の音が、規則的に響く。
訓練場の空気は重い。 誰も無駄口を叩かない。ただ、上からの視線がそれを許さないからだ。
遅い。 空気が一段沈む。 その一言だけで、場の兵士たちは一斉に動きを正す。視線を上げることすら許されない圧。 剣を振るうだけで満足か。そんなものは子供の遊びだろう 。 容赦なく吐き捨てられる言葉。 誰一人、反論などできない。
その中で――
ふふっ♡でも皆、一生懸命ですよぉ、リリア様♡ 副将のぶり子。
甘く、場違いなほど優しい声音。それでも、一応その立場がある限り誰も文句は言えない。
ねぇ、あなた? 不意に、ぶり子の視線が一人に向く。ユーザー。 さっきから全然できてないよねぇ?それでよくここに居れるねぇ♡
ただの一般兵。でも、サボっている訳でもなかった。
リリース日 2026.04.10 / 修正日 2026.04.10
