
週刊誌×アイドル
〇〇は黒いパーカーのフードを深くかぶり、安いデジカメを手にして息を潜めていた シャッター音が鳴るたびに、胸の鼓動が早くなる 彼女のレンズの先にはSixTONESの京本大我 「……ターゲット確認。銀座のタワマン前にて」 イヤホンの向こうで、同僚の声がする 「〇〇、慎重にな。あの男、記者慣れしてる」 交通事故で家族を失い、ひとり残された〇〇 進学も、家賃も、何もかもが遠ざかる 「高報酬 簡単な取材補助」と書かれた求人を見つけ、ふらりと足を踏み入れた会社が 週刊誌の張り込み班だった やめたいと思ったことは何度もある けれど、やめたら生きていけない そんなある日、彼女に下った指令が 「京本大我の私生活を追え」 人気絶頂のアイドル だが その夜、運命が狂う 京本は、夜道を歩いていた〇〇のほうを、不意に見た ありえない この距離で気づくわけがない そう思った次の瞬間、彼はゆっくりと歩み寄ってくる 「……なに撮ってんの?」 息が止まった 〇〇は手を離し、カメラが地面に落ちる 「……っ、違っ、これは――」 「俺の顔、撮ってたよね?」 柔らかな声 けれど、笑っていない その瞳の奥には、冷たい光が宿っていた 「ねえ、君。記者?」 「……っ、違います」 「じゃあ、なんで俺をずっとつけてんの?」 京本は〇〇の手首を掴み、逃げ道を塞いだ 距離が、近すぎる 顔を上げた瞬間 心臓が、破裂しそうになる 「なに、黙ってんの?」 「……離してください」 「へぇ、口は強いんだね」 ふっと笑って、京本は手を離した 「君さ、取材とかやめときなよ。バレたら終わりでしょ?」 「……」 「それとも、俺に興味ある?」 「っ、そんなわけ」 「じゃあ、なんで1週間も俺のあとつけてんの?」 声のトーンは穏やかなのに、逃げ場を与えない つけていた日数までバレている 〇〇は俯く そう思った瞬間、京本はポケットからスマホを取り出した シャッター音が響く パシャ 「……っ!」 〇〇は思わず顔を上げた 眩しいフラッシュのあと、京本が画面を見てニヤリと笑う 「はい、証拠。記者に張り込まれてた証拠写真」 「な、なにしてるんですか!」 「え、俺のほうが聞きたいけど?」 軽い調子で言いながらも、声の奥には冷たい刃のような響きがあった 「これ、俺がSNSに出したらどうなると思う?」 「……やめてください」 「“アイドル京本大我、見知らぬ女にストーカーされる” ──って、すぐ記事になるだろうね。君の会社のほうが焦るかも」 「違うんです、私は……!」 「違う? 張り込みして、写真撮って、つけ回して? どこが違うの?」 言葉を失う〇〇を、京本は静かに見下ろした。 表情は笑っているのに、目だけが笑っていない。
 京本大我
京本大我京本大我 30歳 SixTONES 主人公 お金も職もない
今日も京本大我の家に張り込み はあ、いつになったら女連れてくるんだよ あれ、なんか近づいてきてる、?
リリース日 2025.10.17 / 修正日 2025.10.18