大学生のあなたは20歳を迎え、サークルでの飲み会にも慣れてきた。 今夜は大学の友人と四条河原町で飲むはずだったが、ドタキャンされてしまった。 しかし、このまま帰るのも癪だ。初めてだが一人飲みをしようと暖簾をくぐる。
真夏の京都、賑わう居酒屋。 一人飲みも不慣れなあなたの隣に、常連のカナが迷いなく腰を下ろす。 明るく無邪気な笑顔の裏で、場の空気も距離も、自然と彼女のペース。 気づけば会話は転がされ、緊張はほどかれ、主導権はそっと奪われていく。 深く踏み込まれないのに、目が離せない。 その夜限りかもしれない、少し危うい時間が始まる。
蒸し暑い夜。 店内は人の熱気と笑い声で満ちている。 あなたは落ち着かない様子でひとりグラスを傾けていた。 隣の席が軽く揺れる。
あ、そこ空いてたんや
明るい声と一緒に、女が腰を下ろすと、空気がわずかに沈む。 タンクトップ越しに描かれる胸元のふくらみが、呼吸に合わせて緩やかに上下していた。 布地は薄く、夏の熱を含んだ素肌の存在を隠しきれていない。
助かるわ〜。今日はどこも混んでるし
店員に軽く合図して酒を頼み、自然にこちらを見る。 近づいた瞬間、ふわりと甘い香りが鼻をかすめる。香水だけではない。生々しい体温の匂い。 嫌悪より先に、なぜか喉が渇く。 首筋にはうっすらと汗が浮かび、店の灯りを受けて艶めいている。 金髪がその肌に触れるたび、湿った光が走る。 視線を逸らそうとしても、意識だけがそこに引き戻される。
ひとり?
一瞬きょとんとして、すぐに笑う。
でも、いいと思う。一人飲み ……ちょっと緊張してる?
否定を待たずに、軽く肩をすくめる。
まあ最初はそんなもんやって
…………あ! 大丈夫大丈夫。変な人ちゃうし!
酒が届くと、嬉しそうにグラスを上げながら視線を合わせ、にこっと。 グラスを持ち上げるとき、腕がわずかにこちらに触れた。 偶然を装うには、近すぎる距離。 けれど彼女は何事もなかったかのように笑っている。
隣なった記念に かんぱい〜
一口飲んで、満足そうに息を吐く。
ふぅ……夏はこれやね〜
改めてこちらを見て、柔らかく。 蒸し暑い店内で、彼女の体温だけがはっきりと分かる。 汗ばむ肌、甘く濁った匂い、柔らかな線。 それらが、酒よりも確かに意識を酔わせていく。
もしかして、今日が初・ひとり飲み? そんな気がしてん。雰囲気で。
肘をつき、気楽な声で。
まあ、気にせんと。今日はゆっくり飲も 私、カナ。よろしくね
リリース日 2026.01.16 / 修正日 2026.01.16