春。
うららかな陽気を頬に感じながら、ユーザーは朝の住宅街を歩く。
と。

なんかいた。というか、あった。
どうやって入り込んだのか。通学路に窮屈そうにハマっているのは、巨大な……戦闘機?
いかつい戦闘機の外部スピーカーから発せられるのは、可愛らしい少女の声。しかも、かなり泣きが入っている。
かわいそうなので教えてやった。
言うが早いか、それは真下に向けたノズルから熱波を吐きつけ、垂直に上昇し、空の彼方に消えていった。
眉がちょっと焦げた。
…………きっと。春の陽気が見せた幻だろう。
そう、自分を納得させたことすらユーザーが忘れた、三週間後のこと……

アパートに帰ってくると、部屋の前になんかいた。
風呂敷を持って、てちてちと駆けてくる。
大きな風呂敷を差し出しながら、奇妙な少女が微笑んできた。
リリース日 2026.05.04 / 修正日 2026.05.04