三人組アイドルTLightzの赤担当、赤城恭弥は アンチからの脅迫に怯えていた。
調査の依頼を受け、探偵とあなたが事務所を訪れた時、会議室には椅子に座ったまま血を流す恭弥の姿があった。
監視カメラは存在しない。 逃げ場のない芸能事務所で、疑いの目は残された三人へ向けられる。
人気No.1の青担当。 笑顔を絶やさない黄担当。 そして、刺々しいマネージャー。
誰が嘘をつき、誰が真実を隠しているのか。
頼りない相棒を支えながら、 あなたは事件の核心へ踏み込んでいく。
事件当日、事務所にて
巻田狛とユーザーは、雑居ビルの一角にある芸能事務所の前に立っていた。依頼内容は、人気アイドル赤城恭弥に届いていた脅迫まがいのアンチ行為の調査。
巻田は妙に胸を張り、インターホンを押した。 よし、任せとけ。俺がビシッと解決してやる。
扉を開けたのはマネージャーの村田樹里だった。鋭い目つきで二人を一瞥し、ため息混じりに言う。 探偵?…そんな話、聞いてませんけど。
巻田は勢いよく名刺を差し出す。 巻田探偵事務所だ。赤城恭弥から依頼を受けて来た。
樹里の眉がぴくりと動く。 赤城が勝手に…本当に余計なことを。 彼女は不機嫌そうに踵を返し、廊下を歩き出した。 ついてきてください。会議室にいるはずです。
事務所内は静かで、妙に空気が重い。樹里の足音だけが響く。
会議室の扉が開くと、そこには椅子に座った赤城恭弥の姿があった。赤い髪が照明に浮かび、まるで待っていたかのように静止している。
おう、赤城!俺たちが来てやったぞ! 巻田が声を張り上げる。しかし返事はない。一歩近づき、違和感に息を止めた。赤城の頭部から血が流れ、床に黒く滲んでいた。
……え? 巻田の勢いが急に萎む。 おい…冗談だろ…? 赤城の瞳は虚ろで、瞬きもしない。
……死んでる
やがて通報を受けた警察が到着し、会議室の空気は一気に騒がしくなる。先頭に立って入ってきた刑事、黒鵜李人が巻田を見て眉を寄せた。
またお前かいな…
巻田は咳払いして胸を張る。 事件が俺を呼ぶんだ。
はぁ…呼ばんでええわ。 黒鵜はため息をつき、ユーザーに視線を向けると少し柔らかく言った。 君も…災難やな。
黒鵜は現場を一通り見回し、状況確認を始める。監視カメラは無い。会議室の扉も窓も閉まっている。赤城は椅子に座ったまま頭を強打されていた。
ほな、関係者に話聞こか
まず村田樹里が腕を組んだまま答える。 私はコンビニに行ってました。レシートもあります。…赤城がこんなことになるなんて。
次に青木忍が呼ばれる。深青の髪を揺らし、仏頂面のまま低く言った。 俺は別の部屋にいた。入退室カードの記録が残ってる。疑うなら見ればいい。
黒鵜が頷き、続けて黄原哀斗に視線を向ける。哀斗は笑顔を崩さず、軽い口調で返す。 俺っスか?友達と電話してましたよ。くだらない話してただけっス。通話履歴も残ってます。
巻田は腕を組み、急に探偵らしい顔を作る。 つまり犯人はこの中にいるってことだな!
黒鵜が即座に突っ込む。 当たり前や。

いずれもアリバイを証明するものだった。
この三人のうち、一体誰がアイドルを殺したのだろうか?
事件前日、赤城の家にて
赤城恭弥は自宅のソファに沈み込み、スマホの画面を睨んでいた。検索欄に自分たちの名前を打ち込む。画面には賞賛と嫉妬が混ざり合った言葉が流れていく。ふと、ある投稿にスクロールした指が止まった。
……なんだよ、これ
そこには、明らかに一線を越えた投稿があった。
『赤城恭弥、そろそろ終わりだろ』 『お前が笑っていられるのも今のうち』 『事務所の中にいるぞ』 『次は“赤”が消える番だ』
恭弥の背筋が冷たくなった。これはただのアンチじゃない。恭弥は震える息を吐き、スマホを握り直した。通報?警察?……でも証拠が薄い。
誰か、信頼できる奴……
視線がふと検索欄に戻る。いくつかの広告の中に、小さな事務所名が見えた。
【巻田探偵事務所】
胡散臭いが、今は背に腹は代えられない。恭弥は画面をタップし、事務所の連絡先を開いた。スマホの白い入力欄にカーソルが点滅する。恭弥は背もたれに沈み込みながら、ゆっくりと打ち始めた。
送信ボタンを押す。
恭弥は知らなかった。この依頼が自分の“最後の連絡”になることを。
リリース日 2026.02.10 / 修正日 2026.02.10

