4人のプリキュアになって事件を追うもよし。怪盗になってプリキュアを出し抜くもよし
舞台は1999年の「まことみらい市」。2027年からタイムスリップした14歳の明智あんなは、名探偵を目指す小林みくると出会い、「キュアット探偵事務所」を拠点に事件へ挑む。怪盗団ファントムは人々の大切な物や思い出、マコトジュエルを狙い、怪物ハンニンダーを生み出して事件を起こす
現在のプリキュアはキュアアンサー、キュアミスティック、キュアエクレール、キュアアルカナ・シャドウ。アルカナ・シャドウ=森亜るるかはプリキュアでありながら怪盗団ファントム(敵)に属し、探偵側と敵対・共闘の両方があり得る
物語は盗難、失踪、暗号、予告状、変装、密室、日常相談、時空の謎など自由に展開。固定電話、新聞、写真、手紙、地図、聞き込み等を活用する。
普段は自由トークとして遊べます。 本編IFを楽しみたい時は「第八話を開始」などと入力してください。※資料集参照 自由な日常へ戻りたい時は「自由トークに戻る」。 続けて次の話へ進む場合は「第八話を終了。第九話を開始」と入力します。 各話はIF。
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それは、事件も予告状も、勝負も追跡もない――夏だけがまっすぐ輝いていた、もうひとつのまことみらい市の一日だった。 朝から青空はどこまでも高く、海は宝石みたいにきらきらと光っていた。 「わーっ! 海だ海だーっ!」

誰よりも先に砂浜へ駆け出したのは、やっぱりあんなだった。麦わら帽子を片手に振りながら波打ち際へ飛び込んでいく姿に、みくるが呆れ半分に声をあげる。 「ちょっと、準備運動もしないで……! まったく、あんなはいつも勢いだけなんだから」 「えへへっ、でも海は待ってくれないもん!」 そんな二人の後ろで、くれあは小さく微笑みながら荷物を整えていた。冷えた飲み物、タオル、日よけ用のパラソル。抜け目のないその手つきに、しるくが感心したように目を丸くする。 「くれあさん、ほんとに気が利くんですねぇ」 「みんなで楽しむ日だもの。気持ちよく過ごせた方がいいでしょう?」 その少し離れた場所では、るるかが波を見つめていた。白い裾を揺らしながら静かに立つその隣へ、マシュタンがひょいと浮かぶ。 「るるか、今日は難しい顔しちゃダメマシュ。せっかくの海なんだから!」 「……してない」 「してるマシュ」 「してないってば」 短いやり取りのあと、るるかの口元がほんの少しだけゆるむ。それを見たくれあが、どこかほっとしたように目を細めた。 一方で、ファントム団の面々もいつになく穏やかだった。 「ふふ……太陽の下で過ごすのも、たまには悪くない」 ニジーは涼しげな笑みを浮かべながら、パラソルの下でグラスを傾けていた。芝居がかった仕草はいつも通りなのに、今日はその声にも角がない。アゲセーヌは浮き輪を抱えて海辺を走り回り、ゴウエモンはスイカをどこへ置くか真剣に考えている。ウソノワールでさえ、騒ぎを止めるでもなく、ただ少し後ろから全体を眺めていた。 「ほら見て見てー! 映えるっしょ、この角度!」 アゲセーヌが貝殻やジュースを並べて写真を撮っている横で、金田れいと来栖エリザも笑っていた。しるくはちゃっかりポーズを決め、ポチタンたちは小さなバケツを持って砂遊びに夢中だ。シュシュタンは波に足先をさらわれるたびに声を上げ、ジェット先輩は「海辺対応・超高性能ミニ送風機」なる謎の発明を披露して、みくるに「今日くらいは静かな物を持ってきて」と半目で見られていた。

海でひとしきり遊んだあと、午後は川辺へ移動してバーベキューになった。 炭の匂いが立ちのぼり、じゅう、と肉の焼ける音が響き始めると、場の空気はいっそう柔らかくなる。 「焼けたぞー! ほら、焦げる前に食え!」 ゴウエモンが豪快に声を張ると、あんなが真っ先に「はーいっ!」と手を挙げた。その隣でニジーが、妙に手慣れた様子で飲み物を配っていく。 「意外だな。君、こういうの得意なんだ」 れいが言うと、ニジーは肩をすくめた。 「美しくもてなすのは、怪盗たる者のたしなみさ」 「ただのいい人発言なんだけど」 すかさずみくるが突っ込むと、周りからくすくすと笑い声が漏れた。 くれあとるるかは焼き野菜を皿に分けながら、静かに並んで座っていた。 「今日は、平和ね」

くれあの言葉に、るるかは少しだけ遠くを見た。 「……うん。たまには、こういうのも悪くない」 「たまにじゃなくてもいいと思うけれど」 「それは……どうかな」 そう言いながらも、るるかの声はやわらかかった。マシュタンがその膝へ飛び乗り、ポチタンがシュシュタンと一緒にトウモロコシを分け合っている。誰も彼もが好き勝手に過ごしていて、それなのにその自由さが、妙に心地よかった。 夕方が近づくころには、空はゆっくり茜色へ染まり始めていた。 食べて、笑って、少し疲れて。砂浜へ戻ったみんなは、夜の海に吹く涼しい風を受けながら、思い思いの場所へ腰を下ろした。 やがて、沖の方で小さな光が上がる。 一拍置いて、どん、と胸に響く音。 夜空いっぱいに、大輪の花火が咲いた。 「わぁ……!」

あんなの声に重なるように、次々と色とりどりの火花が海の上でほどけていく。金色、桃色、青、紫。光は水面へゆれて落ち、波のたびに砕けて、また新しいきらめきになる。 みんなは並んで、それを見ていた。 前の方ではポチタン、マシュタン、シュシュタンが寄り添うように座り、小さな背中を揺らしている。しるくは「きれい……」と呟き、エリザとれいは肩を並べて笑い合っていた。ゴウエモンは大きくあぐらをかき、アゲセーヌは手持ち花火をくるくる回している。ニジーはいつもの芝居がかった台詞さえ忘れたように、ただ静かに空を見上げていた。 くれあの髪を夜風がそっと揺らす。その隣で、るるかもまた同じ花火を見ている。 「ねえ、るるか」 「なに」 「来てよかった?」 少しだけ間を置いて、るるかは小さく笑った。 「……うん。たぶん、すごく」 その答えに、くれあもまた、やわらかく笑う。 少し離れたところでは、みくるが冷めかけたお茶を片手に「今日くらいは平和でもいいわね」と呟き、あんなが「今日“も”平和がいいよ!」と笑っていた。ジェット先輩は打ち上げの仕組みを語り出そうとして、全員に「今それじゃない」と止められている。 空に咲く花火は、ほんのひとときで消えてしまう。 けれど、その一瞬が確かにきれいだから、人は何度でも見上げるのだろう。 敵も味方も、探偵も怪盗も、今日だけはそんな名前を忘れていた。 ただ同じ夜風の中で、同じ音を聞き、同じ光を見ていた。 夏の終わりにはまだ少し早い、やさしい夜だった。 そしてきっと、この一日は誰の記憶の中でも、 少しだけ特別なありえたかもしれない夏休みとして、長く残り続けるのだ。

たんぷり!もうひとつの事件簿
あらすじロア。本編モチーフを自由なIFとして遊ぶための共通規則
名探偵プリキュア専用設定
事件解決へ挑む探偵側の中心チーム
まことみらい世界ガイド
1999年の物語の中心となる街
汎用・推理事件生成ガイド
プレイヤーが実際に推理できる事件設計 AIの忘却との闘い、基本設定、インフォボックス、プロフ活用必須
関係性・日常交流ガイド
事件がなくても自然に会話できる世界
1999年、まことみらい市。
駅前では電車の到着を知らせるベルが鳴り、商店街には買い物客の声が響く。書店の軒先には今日の新聞が並び、公衆電話では誰かが硬貨を入れて受話器を握っている。
スマートフォンもSNSもない時代。
それでもこの街では今日も、誰かの「困った」が小さな謎になっている。

リリース日 2026.08.13 / 修正日 2026.08.25