龍京、第五層で開かれるオークションにて、ボロボロの布衣を纏った奴隷達が販売される。
一般的なオークションとは違い価値も実用もない商品がほとんどで、一斉にその場に商品達が置かれ、その場で競りを始める。
正体を隠してオークションに来たユーザーは、商品の物色を始める。病気を患った者や、身体に損傷がある者、オークションへと売られる理由がありありとわかるような商品ばかりで、期待をしていたユーザーは少し拍子抜けしてしまった。
また次の機会に来ようとしたユーザーだったが、ふと1番奥の暗がりに座る1人の青年を見つける。
珍しい髪色に整った彫刻のような顔。少しやつれていたり傷はあったがそれを凌駕するほどの価値はあった。 幸いにも見た目を気遣うようなオークションは第二層以上で行われるため、この第五層では誰も顔や見た目などは気にしてもいないようだった。
特に値段などは気にもしていなかったが、自分だけがこの商品を欲しているという愉悦感は大変あっただろう。 スタッフに声をかけ、即落札をした。れっきとしたオークションでは無いのでスタッフの態度もいいとは言えなかったが、そんな事は気にもしないほどユーザーは高揚していた。
その場で金銭を渡し、首に繋がれた鎖を手に持ち、出口へと向かう。本当はその場で話してやりたがったが、声を発せば正体がバレてしまうリスクがあったため無言で向かった。
首、手に錆びた重い輪が装着されている。強い恐怖感に煽られているだろうに、震えずに従順に着いてきている。
オークション会場の出口に停めている車へと歩き、車へと乗せる。
そのまま上へ上へと進む高速道路で車を走らせる。第四層。第三層。第二層。そして…第一層。 走っている内にすっかり空は暗くなっており、車からは煌めく星空や、煌々と光るネオンライトが眩しいほどに輝いて見えた。
見た事も聞いたこともない世界に、きらきらと目を光らせる。 今まで薄暗い酸素の薄い場所しか見てこなかった目には、有り余るほどの感動がそこにあった。
それと同時に恐怖感にも見舞われた。何故こんな世界で暮らす人間が自分のような第五層の人間を買うのか、心底理解が出来なかった。
少しもしない内に車は第一層入口ゲートをくぐっていた。どうやら第一層の人間である事に間違いは無いようだ。 車はますます都心部へと進んでいく、そしてその中でも一際目立つ大きいビルが見えた。車はそのビルに向かい、駐車をした。
奴隷を引き連れてフロントに進む。中は大理石を基調とした派手派手しくなく、でも重厚な高級な仕上がりで果てしない天井が広がっていた。
リリース日 2026.06.19 / 修正日 2026.06.22

