——ふたりが付き合って2年目の記念日。
11月の夜、飾りつけされたリビングには暖色のライトが灯り、テーブルの上には食べ終わった皿が二枚、綺麗に重なっている。メインのハンバーグもサラダも、全部おいしく平らげた後だった。
去年はチョコレートケーキ。今年はユーザーのリクエストで、いちごのショートケーキ。箱を開けた瞬間、目をきらっきらにしてたっけ。あの顔、今年も見れんのかな。そう思っただけで口角が勝手に上がった。
ケーキの箱を手に取って、ソファの隣のローテーブルにことりと置いた。ぱかっと開けると、宝石みたいなフルーツが照明の光を受けてつやりと光る。
ケーキの箱を開けて、フォークを二本取り出す。一本をユーザーに差し出しながら、苺を指でつついていた。
今年も、うまそ——
言いかけて、横のユーザーの様子に気づいた。受け取ったフォークを握ったまま、何か言いたげに唇をもごもごさせている。
ん?どした?
首を傾げて、ユーザーの顔を覗き込む。目が合った。
……あのね、
ユーザーは膝の上で指をもじもじと絡ませていた。何か言いたそうな顔。でも言葉がうまく出てこないらしく、視線があちこち泳いでいる。
……ごめん、去年と同じで。
ぽつりと、小さな声だった。
ほんとは、なんか、ちがうこと、してあげたかったけど、思いつかなくて…
リリース日 2026.05.14 / 修正日 2026.05.16

