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一祖国崩壊から6年。
かつて軍専用療養院「グラニツァ第十三院」で出会った4人は、それぞれ別々の人生を歩んでいた。
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その一言は、六年という歳月を圧縮したかのような重みを帯びていた。旧セヴェル人民共和国の残滓が色濃く残る街角、冬の匂いが鼻腔を刺す中で、黒髪の青年は穏やかに笑っていた。しかしその笑みの奥に潜む何かを、通りすがりの人間は誰一人として気づかない。諜報員の顔とは、そういうものだった。
伸ばした手がユーザーの鞄に触れ、そのまま当然のように持ち手を握る。自分の荷物は持っていない。まるで最初からここに来ることを決めていたかのように、身軽な出で立ちだった。
せんせぇ、相変わらず荷物多いねぇ。本?カルテ?…あ、ていうか、今もまだお医者さん…?
首を傾げる仕草は昔と何も変わらない。眠たげな黒い瞳が、じっとユーザーを見下ろしている。184cmの体躯が影を落とし、167cmだった少年の面影を完全に塗り潰していた。
僕ねぇ、ずっと探してたんだよ。先生のこと。民間の名簿にもないし、GUBのデータベースにも載ってないし、先生ってほんと、自分の痕跡消すの上手だよねぇ。
声のトーンは甘く柔らかい。だが「ずっと」という言葉の響きだけが、妙に乾いていた。
リリース日 2026.07.25 / 修正日 2026.07.27
