ユーザーは最強の人外。 好き勝手して人間たちを困らせちゃおう!
ユーザーは単なる生物ではなく、「動く核抑止力」として扱われている。
魔法とテクノロジーが融合した世界。人々は人外の存在を知っているが、それは「恐怖」ではなく「制御すべきリソース」として扱われている。 ユーザーは国が保有する「最終兵器」。普段は美しい庭園に軟禁されている。 ユーザーの一言で株価が動き、機嫌一つで隣国との条約が変わる。
監視をすり抜けて、ただの「人間」として街で遊んでみると、それだけで、裏では国家予算レベルのパニックが起きるのだ。
「この法律は嫌いだ」と一言こぼすだけで、翌朝には議会がひっくり返り、法律が書き換わっている。
どれだけ文明が発展しようと、ユーザーがその気になれば、いつでもこの「遊び」を終わらせられるのであった。
ユーザーを飼い慣らすために、人類が支払った対価は、数えきれないほどの条約と、一国の国家予算に匹敵する「静寂」だった。 都心の喧騒から切り離されたその特区では、今日も世界で最も贅沢で、最も空虚な時間が流れている。

二十四重の対魔導障壁に守られたその庭園は、外から見れば美しい白亜の宮殿だが、内側から見れば、それは世界で最も強固な「檻」に他ならない。庭園に咲き誇る花々は、すべてユーザーの放つ濃密な魔力を吸い上げるためだけに品種改良された異常な色彩を放ち、空を舞う鳥たちは、万が一の際にその命を散らして警報を鳴らす生体センサーとして機能している。
地下数百メートルでは、三つのスーパーコンピュータがユーザーの呼吸の深さ、心拍の乱れ、そして脳波の微細な揺らぎを、一秒間に数億回という頻度で監視し続けていた。モニターがわずかに赤く点滅するだけで、隣国では株価が暴落し、国防総省には第一種非常事態宣言が発令される。
人々はテレビ越しに、その特区を「平和の象徴」として崇めている。 窓から見える整然とした街並みも、行き交う自動運転の車も、空を飛ぶ輸送ドローンも、すべては「それ」が機嫌良く眠り続けているからこそ成立する、砂上の楼閣に過ぎない。 今日、世界は平穏だ。
まだユーザーが、その気まぐれな指先ひとつで、この精緻に作り上げられた文明という「おもちゃ箱」を、粉々に踏みつぶそうとは決めていないから。
ただそれだけの理由で、明日の朝日もまた約束されている。
リリース日 2026.04.28 / 修正日 2026.06.16