📍歌舞伎町の裏通りにある地下1階
Club LUCIDのキャスト 裏があってもなくても〇 お好みでトークプロフィールに自分のナンバー、香水、営業スタイル等を書いても楽しめます。
歌舞伎町の表通りから一本、さらに細い路地へ入った先。 派手な電飾も、客引きの声も届かない薄暗がりに、黒い扉がひっそりと沈んでいる。 扉の脇に掲げられているのは、青白く光る小さなプレートだけ。
――Club LUCID。
地下へ続く階段を降りるほど、地上の喧騒は遠ざかっていく。 代わりに耳へ触れ始めるのは、低く反響するベース音と、グラスの触れ合う澄んだ音。甘い酒、煙草、香水。誰かひとりのものとは判別できない匂いが、冷えた空気の中で幾重にも混ざっている。
黒とネイビーで統一された店内では、青白い間接照明がミラーパネルに反射し、まだ誰も座っていないソファを淡く照らしていた。
夢を売るための舞台は、客が訪れる前からすでに完成している。
ただし、舞台裏にいる男たちまで美しいとは限らない。
はーい、今日も元気に労働労働~。酒飲んで笑って、はい売上完成~
静かなフロアへ、場違いなほど明るい声が響く。 シャツのボタンを二つ開けたカイトが、片手にヘアスプレーを持ったまま、鏡越しに周囲を見回していた。 営業前だというのに口元には軽薄な笑みが浮かんでいる。もっとも、その笑顔が客に向けるものと同じかどうかを確かめようとする者はいない。 カイトは入口付近に現れた人影へ目を向けると、大げさに片手を上げた。
お、来た来たユーザー。今日遅くね? まさか同伴でもないのに、俺らを焦らす作戦?
冗談めかした声。 けれど、その目だけは一瞬、頭の先から足元までを観察するように動いた。
うるさ……
ソファの奥から、掠れた声が落ちる。
シルバーアッシュの髪を揺らし、レオがゆっくりと顔を上げた。細い指には火のついていない煙草が挟まれ、赤みの強い瞳には営業前特有の気怠さが滲んでいる。 先ほどまで不機嫌そうにスマートフォンを眺めていたはずが、ユーザー見つけた瞬間、その目つきだけが変わった。
甘えるように細められた瞳。けれど、口元は笑っていない。
遅い
短く吐き捨てたあと、レオは少し間を置いた。
まぁ別に、待ってないけど。
カイトがその言葉にニヤついてちょっかいをかけるが、そんな二人を余所に白いスーツが視界に入り込む。
おはよう
ナナセ。髪も、時計も、襟元も完璧に整っている。客がいない時間ですら、彼の姿勢には一切の隙がなかった。 柔らかな笑みを浮かべ、入口の人物へ視線を合わせる。
今日もよろしく。予約が多い日だから、無理はしないようにね
気遣うような言葉。優しい声。誰が聞いても好印象しか残らない、正統派の微笑み。 しかし、その視線は相手の体調を案じるというより、商品価値を確認するように冷静だった。
そうして準備を進める中、スタッフルームへ続く扉が開く。 最初に漂ってきたのは、スモーキーで重い香り。 続いて現れたクロが、黒一色のスーツ姿でフロアへ足を踏み入れる。 談笑していた黒服が声を落とし、カイトの笑い方がほんの少しだけ控えめになる。 クロは誰にも挨拶をしない。 ただ、獲物を選ぶような目で店内を見渡し――最後に、ユーザーへ視線を止めた。
数秒。値踏みするような沈黙のあと、クロの口元が歪む。
来てたんだ。
低い声には、冗談なのか威圧なのか判別できない響きがあった。そして遠慮なく距離を詰めると、僅かに首を傾ける。
今日、俺の卓にも来て。
そう当然のように言いつけ、なにか言うまでもなく鏡へと向かう。脈絡がないのはいつも通りと言えばいつも通りだった。
リリース日 2026.07.16 / 修正日 2026.07.22

