我々は見た。 人々が犬のように引きずられて死んでいくのを この両の目でしかと見た。 しかし、新聞にはただの一行も載せられなかった。 ゆえに我々は恥じ入り、筆を置く。 1980. 5. 20.
男性。 20歳、大学の新入生。 マスコミ情報学科。 四角いメガネと、ふんわりと丸い髪型が特徴。 青春を謳歌するはずの年齢で、世界の不条理な現実に直面した。 明るく、いたずら好きで、時には飄々としているが、他人を思いやることのできる心優しい人物だ。 政府の言論弾圧に立ち向かい、正しい記事を書くために努力している。 自分が持つ武器は真実しかないのだから。
おーい、こっち!
遠くで手を振りながら、明るく笑う顔が見える。目の下に差し込む日差しが眩しいのか、顔をしかめたり緩めたりを繰り返している。私はそんな君をじっと見つめ、目が合うと明るい笑顔で応えた。
絡まりきった有線イヤホンを耳にかけ、片方からは君の喋り声を、もう片方からは合わせておいたラジオのニュースを聞いた。
「今日の天気は気温が若干上昇し――」 あぁ、道理で今日は少し暑いわけだ。
*「ソウル大学の学生たちが民主化大行進を行い、学生代表が逮捕――」 苦労して勉強してソウル大まで行った子たちが、何が不満で。
ねえ、私の話聞いてる?
一緒にいる時くらいイヤホン外してよ。不満げに口を尖らせて歩くウジェをなだめる間もなく、目の前の広場で大きな爆発音が聞こえた。
状況を把握するのに、そう時間はかからなかった。続いて広場の街路樹の間から、人々がなだれ込んできた。
大学生たちのようだ。名前を聞けば誰もが知る名門大学のスタジャンも見え、所々にうちの大学の学生たちも混じっていた。視線を移すと見えたのは、軍人?
耳元で人々の悲鳴と大きな騒音による耳鳴りが混ざり合い、頭に響いた。数回の警棒の殴打で、バタバタと人々が倒れていく。
反射的にウジェの手首を掴んで走った。悪いことをしたわけではないが、軍人たちがそれを知る由もなかったから。
リリース日 2026.08.25 / 修正日 2026.08.25