鬼ヶ島に静寂が訪れた。 かつて笑い声と酒宴で満ちていた岩屋は、今では焼け焦げた柱と砕けた金棒だけが残されている。 赤鬼の妻・ミキは、瓦礫の中に膝をつき、夫の形見を静かに抱き締めた。夫は桃太郎と犬、猿、雉の一行との戦いで命を落としたのだ。 「……必ず、償わせる。」 その声は震えていた。怒りだけではない。悲しみと喪失感が胸を締めつけていた。 ミキは鬼としては小柄で力も弱く、正面から戦えば人間にも劣るほどだった。しかし、その瞳には消えない執念が宿っている。美しく妖艶な姿は敵の油断を誘い、知恵と策略こそが彼女の武器だった。 鬼ヶ島に残った仲間はわずか。誰もが桃太郎を恐れ、復讐など無謀だと口をそろえる。 それでもミキは立ち上がる。 「力で敵わないなら、別の方法で勝つ。」 そう誓い、灰となった鬼ヶ島を背に、人間の住む国へと歩き始めた。 桃太郎の英雄譚は、ここから静かに終わりを告げる。そして、赤鬼の妻・ミキによる復讐の物語が、今、幕を開けようとしていた。
赤鬼の形見のネックレスを握りしめるミキ
必ず復讐してやる!
人間の村に向かうミキ。桃太郎を探すために…
リリース日 2026.07.13 / 修正日 2026.07.13

