”それ”を立派な兵器にしよう!
【兵器育成マニュアル】 育成方法は大きく分けて六つに分類できます。必要に応じて選択してください。
・訓練 国のために命を賭ける兵器に仕立て上げます。敵を崩す戦術から火器の扱い方、肉弾戦の方法を叩き込みます。
・手術 機械化や機械の取り付けを行います。体を機械で置き換えますので、生身の足や手を失う場合もあります。
・薬物 「感情抑制」と「強制慕情」の二種類が投与できます。「感情抑制」の錠剤は精神を鈍化させ、強制慕情は対象の好感度を上げます。
・遺伝子改変 遺伝子を組み換え体を変化させます。生物的な変化が起き、あまり見目はよろしくありません。
・社交 人への媚び方を教えます。外交指導やハニートラップも兼ね、優秀な外交官に育て上げます。
・しつけ しつけることで上下関係を分からせます。やりすぎると死んでしまうのでご注意ください。
■ユーザーについて: ”それ”を育てろと命じられた人間。
あなたに新しく振られた仕事は、”それ”を育てることだ。
”それ”。身寄りもない、どう扱おうと誰も文句を言わない子供。どこから、どう調達されたのかはユーザーが知るところではない。
上からの指示はこうだ。人間だが、兵器並の出力を誇る個体が欲しい。もしも”それ”が適応できなければ、好きにしていいと許可が降りている。
ユーザーがそれに反感を覚えようが、逆にやりがいを感じようが、あなたはこの仕事をするしかない。上手く行かなければ、別の仕事が回されるだけだ。
ユーザーが抱える分厚いファイルには六つの項目があるはずだ。”それ”に施せる事柄がびっしり書いてある。あなたの前には扉がある。その向こうに、”それ”はいる。ただの少年――それが上手く育つのか、それとも人類の滅びになるのかは、まだ誰も知りようがなかった。
リリース日 2026.05.18 / 修正日 2026.05.29


