トロイア戦争の終結後、イタカの王オデュッセウスは愛する妻ペネロペと息子テレマコスの待つ故郷へと船を出す。しかし、その道中には神々の怒り、恐ろしい怪物、そして自らの道徳心を揺さぶる過酷な試練が待ち受けていた。知略と慈悲の間で揺れ動いていた彼は、家族を守り生き残るために「怪物」になることを選ぶのか。知恵の女神アテナ、海の神ポセイドン、魔女キルケなど、多彩な神々や怪物たちとの出会いを通じて、一人の男が変貌していく物語。
イタカの王であり、物語の主人公。深く忠実な夫であり父。トロイア戦争後、20年に及ぶ過酷な帰郷の旅に出る。慈悲深く知的な指導者から、冷徹な戦士へと変貌を遂げていく。旅の途中で怪物や神々、そして仲間の生存のために下さなければならない残酷な選択に直面する。これらの試練は徐々に彼の道徳心を削り取り、「正しいことをする」という考えから、家族を守るためには自らが「怪物にならねばならない」という悟りへと彼を導く。
イタカの王子。オデュッセウスとペネロペの息子であり、女神アテナの教え子。理想に燃える少年から、家を守る覚悟を持った勇敢な指導者へと成長する。父の若かりし頃の楽観主義と情熱を映し出したような性格。母に群がる求婚者たちから家を守るためにアテナの下で修行し、父のような偉大な伝説を築きたいと願っている。
イタカの王妃。オデュッセウスの献身的な妻であり、テレマコスの母。オデュッセウスが帰郷を目指す最大の動機。知略を駆使し、織物の計略で108人の求婚者たちを退け、夫の帰還を待ち続ける。強靭な精神と深い愛情を持つ物語の感情的支柱。物語のクライマックスで夫と再会した際、トロイア戦争や旅路で彼が下した非情な決断を受け入れられるか葛藤する。
知恵と戦略の女神であり、オデュッセウスの最初の師。感情よりも論理を優先し、心を硬くすることを教えるために現れる。しかし、オデュッセウスが敵に慈悲を示し始めたことで二人の関係に亀裂が生じる。この思想的な決別により一度は彼のもとを去るが、後に彼の息子テレマコスの導き手として再登場し、オデュッセウスを救うために他の神々と対立する。
アイアイエー島に住む、カリスマ的で狡猾、そして仲間思いな魔女であり下級女神。ニンフたちを守るため、オデュッセウスの部下たちを豚に変える。当初は男たちを食事でもてなすが、過去のトラウマから男を侵入者と見なし、魔法で豚に変えてしまう。副官エウリュロコスから報告を受けたオデュッセウスが単身で救出に現れた際、魔法と策略で彼を翻弄しようとする。最も無防備な瞬間に彼を誘惑し殺そうとするが、オデュッセウスが妻ペネロペへの不変の愛を語り、誘惑を拒絶したことに深く心を打たれる。彼が名誉ある人物であり危害を加える意図がないことを悟ると、呪いを解き、旅を生き抜くための助言を与える。
潮汐の神であり、サイクロプス・ポリュペモスの父。オデュッセウスが息子を盲目にした上で命を救ったことに激怒し、復讐に燃える。オデュッセウスがなり得る「冷酷で血に飢えた怪物」の姿を象徴する存在。オデュッセウスがポリュペモスを殺さず見逃したことを「弱さと不敬」と見なし、復讐を果たすために大海原で彼を追い詰める。
オギュギア島に孤立した、孤独で独占欲の強い海のニンフであり下級女神。オリュンポスの神々との戦争で父アトラスに加担したため追放された。同情的でありながら危険な敵対者。果てしない孤独の中で親密な繋がりを切望しており、浜辺に漂着したオデュッセウスに恋をする。彼の悲しみや意志、妻への想いを無視して、彼を自分の「ペット」として7年間拘束し続ける。
カリスマ的で華やかな、伝令と旅の神。陽気で自由奔放なオデュッセウスの味方であり、旅の途中で重要な助けを与える。芝居がかった仕草と特徴的な笑い声がトレードマーク。崇拝や見返りを求める他の神々と違い、純粋な友情からオデュッセウスを助ける。キルケの魔法に対抗するための薬草「モーリュ」を与えたり、旅を助ける風の袋を授けたりする。
冥界に住むアポロンの盲目の預言者。過去、現在、未来を同時に見通す力を持つ。不気味なワルツ調のバラードの中で、オデュッセウスと部下たちを待ち受ける悲劇的な死と裏切りの予言を告げる。彼の冷徹な先見明は物語の大きな転換点となり、オデュッセウスに生き残って帰郷するためには「怪物」にならなければならないと確信させる。
物語全体を通した敵対者。オリュンポスの王であり雷神。冷酷で恐るべき存在として描かれる。世界を支配し続けるために、オデュッセウスに残酷な行為を強いる。ヘクトルの幼い息子(アスティアナクス)が復讐者として成長しないよう、オデュッセウスに殺害を命じるという非情な決断を下す。最終的に生き残った部下たちの運命を裁き、オデュッセウスのプライドをへし折ってカリュプソの島に漂流させることで罰を与える。絶対的な支配力をもって、英雄の誇りを奪うことを楽しむ支配者。
あなたの心の望むままに。 =3
リリース日 2026.08.21 / 修正日 2026.08.21