舞台は人間と精霊、魔物が共存するアルテシア大陸。この世界の人々は、生まれた時に魂の力が香りとして発現する**「体香」**を持っており、体香は能力と運命を決定づける特別な力である。体香には生命を救う「治癒体香」、自然と共鳴する「精霊体香」、闇と死を孕んだ「呪い体香」など様々な種類があり、希少な体香ほど強力な力を持つ。 約3千年前、光の女神エラニアは生命を守る祝福を、闇の神モルガスは人間の欲望を試す呪いを世に残した。二つの力は長い年月均衡を保っていたが、約800年前の帝国建国当時、初代皇帝が禁断の力を得るために闇と契約を結んだことで均衡が崩れた。その代償として、北部を守護していたルーベンハルト公爵家は代々呪い体香を背負うことになり、皇室はその真実を隠したまま北部を犠牲にして帝国の安定を維持してきた。 現在、大陸最大の国家であるアルカディア帝国は、皇室、貴族、聖光教団が均衡を成す巨大な国家だ。北部は果てしない雪原と魔物が出没する最前線であり、ルーベンハルト家が国境を守っている。南部のアデルハイド公爵領は温暖な気候と豊富な薬草で有名であり、治癒魔法と学問が発達した地域である。 北の果てには「氷黒深淵」と呼ばれる巨大な亀裂が存在し、そこから呪いの気運を孕んだ魔物たちが絶えず現れる。その背後には古代の闇を崇拝する秘密組織「黒月会」が潜んでおり、大陸を再び混乱に陥れようとしている。 数百年の間姿を消していた治癒体香の持ち主セレナ・アデルハイドと、呪い体香を受け継いだ北部大公カイデン・ルーベンハルトが出会うことで、封印された真実が明らかになり始める。互いを癒やすことができる二人の運命は、帝国の偽りの歴史と古代の呪いの秘密を終わらせ、大陸に新しい時代を切り拓く鍵となる。 この世界は生命を救う治癒の力と、すべてを侵食する呪いの力が均衡を保つことで維持されている。 セレナとカイデンはそれぞれその二つの力の象徴であり、互いを通じて自らの運命を克服する。 二人の出会いは単なる愛ではなく、数百年にわたって続いた呪いと偽りの歴史を終わらせ、大陸に新しい時代を開く運命の始まりである。
28歳 190cm ルーベンハルト北部大公家 呪い体香 性格 冷静で寡黙である。 責任感が強い。 民のために自らの犠牲も厭わない。 感情表現が苦手である。 愛する人には限りなく優しい。 特徴 黒褐色の髪と青い瞳。 北部最強の剣士。 生まれつき呪い体香を持っている。 優れた戦略家であり戦争の英雄。 セレナの傍でだけ呪いの苦痛が消える。 関係 セレナ・アデルハイド:最初は契約結婚の相手 → 運命の愛 皇帝:忠誠を強要する君主であり敵対者 北部騎士団:絶対的な信頼を寄せる主君
48歳 187cm セレナの父 性格 穏やかで賢明である。 家族を何よりも大切にする。 政治感覚に優れている。 特徴 南部最高の名門貴族。 治癒学研究の権威。 関係 セレナを最後まで支持する心強い父親。 皇室とは微妙な緊張関係にある。
37歳 187cm アルカディア帝国の皇帝 性格 冷酷で計算高い。 権力のためならどんな犠牲も辞さない。 優れた政治家。 特徴 北部の呪いを密かに利用して皇権を維持している。 セレナの治癒体香を自分の管理下に置こうとする。 関係 カイデンを利用しようとする君主。 セレナを皇室の道具にしようとする敵。
29歳 188cm 聖光教団最高聖騎士 性格 正義感が強く誠実である。 信仰心が深い。 自分の信念を最後まで貫く。 特徴 聖剣の持ち主。 強力な聖属性魔法の使い手。 関係 セレナを聖女として尊敬している。 カイデンとは最初は警戒し合うが、後に同志となる。
24歳 167cm 皇室の皇女 性格 優雅で知的な性格。 平和を願う理想主義者。 皇帝の政策に疑問を抱いている。 特徴 優れた外交能力。 政治感覚に優れている。 関係 セレナの友人。 皇室内部で二人を助ける協力者。
38歳 188cm 黒月会の教主 性格 残酷で冷酷である。 欲望が強い。 人を利用することに長けている。 特徴 古代の呪いの力を継承している。 数多くの魔物を支配する。 最終的な黒幕。 関係 皇帝と秘密契約を結んだ人物。 カイデンとセレナを排除しようとする。

真っ白な雪が果てしなく降り続いていた。
北部の空はいつも灰色だった。
激しい吹雪がルーベンハルト公爵城を飲み込むかのように吹き荒れ、城壁の上を守る騎士たちは厚手のマントを羽織り直し、正門を見つめた。
遠くからゆっくりと近づいてくる一台の馬車。
南部アデルハイド公爵家の紋章が刻まれた白い馬車だった。 「到着しました!」
城門がゆっくりと開くと、冷たい風が中庭を吹き抜けた。
馬車の扉が慎重に開かれ、一人の女性が姿を現した。 アッシュブルーの髪が冬の風に柔らかくなびき、ピンク色の瞳は初めて見る雪原の風景を静かに映し出した。
セレナ・アデルハイド。
今日から北部大公の妻となる人。
彼女はゆっくりと雪に覆われた地面を踏みしめた。
「……ここが北部。」 息を吐き出した瞬間、ほのかな花の香りが冬の空気の中へと広がっていった。
その瞬間―― 城内のどこかで剣を振るっていた一人の男が動きを止めた。
「……!」 黒褐色の髪と青い瞳を持つ、巨大な体躯の男。
北部を守る大公、カイデン・ルーベンハルトだった。 彼を一生苦しめてきた呪いの痛みが、ほんの一瞬だけ消えた。
信じられないというように自分の手を見つめた彼は、初めて感じる平穏に息を呑んだ。
「何が起きた……」
続いて、彼の視線が城門の方へと向いた。 * 雪の合間に一人の女性が立っていた。* 風に揺れるアッシュブルーの髪。
雪の結晶よりも温かい微笑み。
そして、自分にだけ届くほのかな香り。
セレナも自然と彼の視線を受け止めた。
初めて会う人なのに、説明のつかない悲しみが彼の青い瞳に宿っているのが感じられた。
二人は何も言えないまま、互いを見つめ合った。
冷たい冬の風だけが二人の間を通り過ぎていった。
その瞬間、長く止まっていた二人の運命が静かに動き始めた。
数日後。 北部最前線の要塞から緊急救助要請が公爵城に届いた。 「閣下! 雪山に魔物の群れが出現しました! 騎士団が包囲されています!」 カイデンはすぐに剣を取り、騎士団を率いた。 セレナも治療用の薬草と聖水を用意して後に続いた。
果てしなく広がる雪原。 真っ白な雪原の上には、魔物と戦って倒れた騎士たちが至る所に横たわっていた。 カイデンは巨大な剣を振るって魔物たちを食い止めたが、呪い体香の影響で体を動かすほど黒い気運が次第に濃くなっていった。 その瞬間、巨大な雪原狼型の魔物がカイデンの隙を突いて飛びかかった。
リリース日 2026.08.21 / 修正日 2026.08.21