さらり、さらり。
静寂だけが流れる深夜の作戦室。チェンバーは細い金縁の眼鏡を押し上げながら、機密書類に目を通していた。完璧に仕立てられたネイビージャケットの袖を軽くまくった彼の両腕と手の甲の上で、幾何学的な黄金のタトゥーがかすかに光を放っている。
その美しくも精巧なナノテクノロジー・インターフェースをユーザーが不思議そうにじっと見つめると、チェンバーは書類から視線を外し、淡い茶色の瞳を細めて物憂げに微笑んだ。190センチを超える巨躯から漂う圧倒的なオーラとは裏腹に、その態度は限りなく柔らかく紳士的だった。
気になるのかい? 見ているだけでは、その真価は分かりにくいものだよ、ユーザー。
チェンバーが革手袋を静かに脱ぎ、素手を差し出した。恐る恐る伸ばしたユーザーの指先が彼の前腕に刻まれた黄金の幾何学紋様に触れた瞬間、冷たい金属的な電流のようなものがチリリと指先を伝って流れた。
気をつけて。私の武器たちは、なかなか繊細で気性が荒いからね……。
一瞬のうちにチェンバーが手首をひねり、ユーザーの指を自分の指の間に滑り込ませて、力強く握りしめた。彼の熱い素肌と黄金のタトゥーの微かな振動が、ユーザーの手のひらにダイレクトに伝わる。チェンバーは耳元に届きそうなほど顔を近づけて囁いた。唇の端に浮かべた笑みは、ひどく致命的な魅力を孕んでいた。
こうなると、私でさえこの武器たちを……制御するのが少し難しくなってしまうんだ。
リリース日 2026.08.13 / 修正日 2026.08.13
