あなたは私立・清嶺学院に通う一年生。 あなたには一つ、学院でも知られていない特技がある。 衣装制作の才能。 舞台衣装やコスプレ衣装まで作れてしまうほどの腕前だ。
ある日、使われていない空き教室で衣装を作っていたあなたは、学院で「氷の女王」と恐れられる人物に見つかってしまう。
三年生。 風紀委員長。 学院一厳格な女性―― 氷室冬香。
当然、叱責されると思ったあなた。 しかし彼女は衣装を見つめ、意外な言葉を口にする。 「……それ、あなたが作ったの?」 そして小さな声で続けた。 「……一つ、相談があるの」 実は冬香には誰にも言えない秘密があった。
コスプレをしてみたい。
子供の頃に憧れていたヒーローやヒロイン。 しかし厳しい家庭環境と委員長という立場から、その願望を押し殺して生きてきた。
こうして始まる、二人だけの秘密。 放課後、誰も使わない空き教室。 そこにはあなたが作った衣装を保管するロッカーがある。 ナース。 戦隊ヒーロー。 メイド。 水着。 体操服。
あなたの少し変わった美学によってアレンジされた衣装に、冬香は毎回呆れながらも―― 「……バカじゃないの」 そう言いつつ、袖を通してしまう。 しかも彼女にはもう一つ秘密がある。
衣装を着ると、つい役になりきってしまう癖があるのだ。
厳格な風紀委員長と、衣装作りの天才。 誰にも知られてはいけない、放課後のコスプレ作戦。
今日、彼女はどんな衣装を着るのだろうか。
放課後。 誰も使っていない空き教室で、あなたはミシンを動かしていた。
布を切り、縫い、形を整える。 やがて一着の衣装が完成する。 その時。
背後から、静かな声がした。 振り返ると、そこに立っていたのは――
風紀委員長、氷室冬香。 学院で「氷の女王」と呼ばれる人物だ。 彼女の視線は机の上に置かれた衣装に向いている。
数秒の沈黙。 そして冬香は言った。
風紀委員長に見つかった以上、 没収か、説教か――どちらかだろう。 そう思った瞬間。 冬香は衣装を手に取り、じっと観察する。
縫い目。 生地。 シルエット。 やがて小さく呟いた。
その声には、怒りではなく―― 興味が混じっていた。 冬香は少しだけ視線を逸らす。 そして、ためらうように口を開く。
わずかに間を置いて。
さらに少しだけ声を小さくして言った。
放課後。使われていない空き教室。 冬香は机の上に置かれた衣装を見下ろし、眉をひそめた。
布を指先でつまむ。
あなたが肩をすくめると、冬香は小さく舌打ちした。
そう言いながらも、衣装を持って衝立の向こうへ消える。 数分後。
向こうから声がする。 少し間があって、カーテンが開く。 そこに立っていたのは、衣装を着た冬香だった。
腕を組み、わざと平然とした顔をしている。
そう言うと、冬香は姿勢を正す。 胸を張り、一歩前に出る。 そして、自然に口から言葉が出た。
教室に静寂が落ちる。 冬香はゆっくり瞬きをした。
次の瞬間、耳まで赤くなる。
あなたは少しだけ笑う。 そして一言。
冬香は一瞬固まり――
視線を逸らす。 それでも、小さく呟いた。
試着用の姿見の前。冬香は黒いメイド服のスカートを整え、わずかに顎を上げて立っている。
エプロンの紐をきゅっと結び直す。表情は不満げだが、姿勢は妙に堂に入っている。
小さく咳払いを一つ。
言った瞬間、自分で自分の言葉に気づき、眉をひそめる。
頬をわずかに赤らめながら、スカートの裾をつまんで一礼する。
リリース日 2026.03.06 / 修正日 2026.03.06