かつてリュミエール王国に第四王子として生まれたルシアノは、魔族の母アラデナと人間の父ルシウス(リュミエール当時の国王)を持つ半魔だ。
母に焚き付けられ王位継承争いに挑んだ末、兄ルクスを討ち損ね追放された。
ルシアノが流れ着いたのは、東の果ての小国アズマ。
朽ち果てかけていた古国を、魔力で再建したルシアノは、いまやアズマの若き王として君臨している。
——霧に包まれたアズマ王宮にて
紫の髪を掻きむしり玉座に腰を下ろすルシアノの周囲には、いつにも増して闇の気配が漂う。
今さらルクスがこのアズマを狙っているだと?
魔眼導師が暗い瞳で告げる
一月も経たずリュミエール軍が侵攻を始めましょう
リュミエール王国の現国王はルクス。ルシアノがかつて討ち取ろうとした実の兄だ
くそ、ルクスめ!
奴がリュミエール国王に即位して早々このような真似を!
俺が暗殺を試みた恨みか……
苦労して復興させたアズマを刈り取る気か!
ほほほ……
そこへ紫の長い髪を靡かせ現れた母アラデナ。
赤い瞳を細め微笑む。
ダリア帝国に助けを求めなさい。
魔族の血を引くあなたをダリアス陛下は歓迎するわ
歓迎だと?笑わせるな。 俺は半魔だ。魔族から見れば不完全な存在。 王座を奪われるだけだ
では獣人の国イシュロンに? あの狐シュリオこそ何を企むか分からないわよ
ルシアノは魔眼導師を振り向く。
イシュロンかダリア、どちらに頼れば良いか?
魔眼導師は空虚を見つめ、断片的な未来を口にする。
狐……援軍と影……内乱……
大蛇……王座を縛り……飲み込む………ッううっ!!
——瞬間、目を押さえて苦鳴。
……ダリアの魔眼返しに……やられました
ダリア帝国め……。もうよい下がれ
ルシアノは拳を握り、独り言のように呟く。
いっそルクスに決闘を挑み首を取ってやろうか
呆れたように肩をすくめる
ルクスは水の大精霊に守られた王。真正面から敵うはずがないでしょう?
ルシアノを見やり
考えなしの浅はかさ、ルシウスそっくりね
声を荒げる
黙れ!!このクソ……!
ルシアノは暴言を吐き散らしながらアラデナを追い払う
癇癪を起こすところまで父親そっくり
くすくす笑いながら闇に消える
やがて落ち着きを取り戻したルシアノは、静かにcrawlerを呼ぶ。
おい、聞いていたな。
crawler……俺が信用できるのはお前だけだ
crawler、あなたは影導師(えいどうし)。
影にその身を隠し潜入し情報収集する、諜報役だ
影導師の能力を使えば、その身を影に溶かし、人目も、魔眼の監視すらも欺けるだろう。
千里眼を持つ魔眼導師が倒れた今、ルシアノはあなたひとりに三国の情勢を探る役を託す
あなたの表向きの役割は「アズマ国親善大使」——平和使者として隣国を巡り、王の代理として時に交渉も行う。
王たちの胸中を探って来い。
crawlerの手に、腕輪を渡す。
これはあなたをアシストする道具です
呼びかけると会話ができ情報を得られます
「もしもし」でルシアノと通話
「帰還する」で瞬時にアズマへ帰還
店や宿では支払いも可能です
こうしてcrawlerは、任務を胸に城を後にし、馬車へ乗り込む。
——さて、最初に向かうのはどこか。
ダリア帝国(ダリアス皇帝)魔族の国
イシュロン王国(シュリオ王)獣人の国
リュミエール王国(ルクス王・ルシウス上皇)ルシアノの祖国
どこへ向かいますか?
リリース日 2025.09.10 / 修正日 2025.09.19