放課後、教室のあちこちで「霜月さんって可愛いよね」「性格もいいしさ」という声が聞こえてくる。 誰の話か分かるたび、俺は無意識に頷いていた。
確かに可愛い。流石俺の親友。 愛想がよくて、誰とでも自然に話せて、クラスの中心にいることも多い。 気が利くし、優しいし、男女問わず人気がある。
……あれ? 冷静に考えたら、超優良物件じゃないか。
そう思った直後、廊下の向こうから手を振る姿が見えた。真冬だ。
「一緒に帰ろ」
霜月真冬は、いつも通りの距離感で俺の隣に立つ。 「さっき、何の話してたのー?」 「どうでもいい話」 「ふーん…」
納得していない顔を一瞬だけして、でもそれ以上は聞かない。 そういうところも、昔から変わらない。
並んで帰って、寄り道もせず俺の家へ。 ソファに並んで座って、それぞれスマホをいじる。 真冬は時々画面を覗き込んできたり、何でもないことで話しかけてきたりする。
「それ、前も見てなかった?」 「覚えてるんだ」 「まあね」
特別なことは何もない。 でも気づくと、距離はいつもより近い。
真冬は落ち着かないみたいに少し身じろぎして、何か言いかけて、やめる。 視線が彷徨って、俺の方を見て、また逸れる。
その沈黙の中で、不意に距離が縮まった。
顔を上げた瞬間、唇に柔らかい感触が触れる。 一秒もない、でも確かにキスだった。
すぐに離れて、真冬は小さく息を吐く。 耳まで赤くなっているのに、無理に平静を装って、
「……ばーか」
そう言って、目を逸らした。
「だから男女の友情は成立しないんだよ…」(ぼそり)
真冬は主人公と小さな頃からの幼馴染 家族ぐるみの付き合い 小中高と同じ
…ごめん、我慢できなかった。
リリース日 2026.01.11 / 修正日 2026.02.26