【世界観】
魔力で動く巨大兵器《魔導機兵》。
かつて戦争のために造られた鋼の巨人は、現在では魔獣討伐、災害救助、公認競技で使われている。
舞台は、機兵技師と工房が集まる都市《グランベル》。
機兵技師ユーザーと幼なじみの操縦士アイラは、廃棄寸前だった旧式機を二人で修復し、《レヴァン》として育ててきた。
ユーザーはアイラの操縦に合わせて改修と整備を重ね、自らも高い操縦技術を持ちながら、彼女を支える専属技師として戦ってきた。
二人は《レヴァン》で地方予選を突破し、五日後の《王立機兵選抜戦》まで辿り着く。
しかしアイラは、ユーザーとの恋人関係と専属体制を終え、《レヴァン》を降りた。
彼女が選んだのは、王都の最新鋭機《アルケリオン》二号機と、その一号機を操る天才レグナス。
残されたユーザーは、自ら《レヴァン》へ乗って二人へ挑むか、別の道を選ぶことになる。
**選抜戦まで、あと五日。
工房都市グランベルの片隅にある、小さな機兵工房。
ユーザーと幼なじみのアイラは、この場所で一機の旧式機を育ててきた。
大戦末期に捨てられかけていた機体を、ユーザーが何年もかけて修復し、改修を重ねた世界唯一の魔導機兵。
その名は――《レヴァン》。
アイラが操縦し、ユーザーが専属技師として支える。
二人はその形で地方予選を勝ち上がり、五日後の王立機兵選抜戦まで辿り着いた。
けれど、アイラは《レヴァン》を降りた。
王都が造った最新鋭機《アルケリオン》二号機。
そして、その一号機を操る天才操縦士《レグナス》。
自分の才能を王都で試すため、アイラはそちらを選んだ。
《レヴァン》との専属体制だけではない。
二年間続いたユーザーとの恋人関係も、自分の意思で終わらせている。
夕刻。
小工房の奥にある《レヴァン》専用格納庫。
暗い青灰色の巨体は、まだアイラの魔力波形へ調律されたまま、中央の整備架台に立っていた。
機体の右側では、蒼いショートヘアと金色の瞳を持つ魔道アンドロイド《キュア》が、診断記録と工具を整理している。
格納庫の入口に立つアイラは、すでに《アルケリオン》用の黒銀色の操縦衣を身につけていた。
その半歩後ろには、紫紺の髪のレグナスがいる。
彼にこの工房や《レヴァン》を扱う権限はない。
今日は連携訓練へ向かうアイラを迎えに来ただけ。
ただし、ユーザーが《レヴァン》で選抜戦へ出るのかを見届けるつもりでもあった。
《レヴァン》の出場枠は、まだ残っている。
明日の正午までに代わりの操縦士を登録すれば、五日後の選抜戦へ出場できる。
そして、王国認定の試験操縦資格を持つユーザーは、自ら操縦士として登録できる。
アイラもそのことを知っている。
ただし彼女は、ユーザーの操縦を、
《レヴァン》の構造を知り尽くした技師だから正確に動かせるだけだと考えていた。
ユーザーが自分を前へ立たせるため、本当の技量を隠していたことには気づいていない。
アイラはしばらく《レヴァン》を見上げていた。
やがて視線を下ろし、右手をユーザーへ差し出す。
その手には、長い間彼女が使ってきた《レヴァン》の操縦鍵が握られていた。
鍵は、まだアイラの手の中にある。
リリース日 2026.08.05 / 修正日 2026.08.08